同じ機種なのに操作感が違う?

こんにちは。オンデマンド機担当のOです。

最近、愛車を同じメーカーの同じ車種の初代から2代目に買い替えたのですが、予想以上に操作感の違いに戸惑っています。
加速のタイミングやステアリングの味付け、ボタンの配置が変わっていたり。
「同じ車種なのに、なぜこんなに違和感があるんだろう」と思いながらも、ふと気づいたのです。
これって、私たちの印刷現場でも同じことが起きているな、と。


オンデマンド機の世代交代で直面する「操作感の壁」

約半年前、長年使っていたオンデマンド機を同じメーカーの最新モデルに更新しました。
カタログを見る限り、基本的な機能や操作系統は従来機と似ており、「これなら慣れるのに時間はかからないだろう」と高をくくっていたのですが、実際に使い始めてみると…

メニューの階層が少し変更 よく使う機能へのアクセス方法が、2〜3ステップから1〜2ステップに短縮されたのは嬉しい改良。でも、指が勝手に従来の操作手順を覚えているため、「あれ?この機能はどこだっけ?」となることがしばしば。

特殊なトナーの切り替え作業が大幅変更 こちらも手順の数は減りましたが、扉を手順通りに閉めないとエラーが起きるので毎回ビクビクしながらやっています。

登録できる紙の数が増えたので探すのが少し大変 登録できる数が100種類→500種類に変わったので、細かく登録していると若干探す時間が増えました。自分以外のオペレーターも触るので分かり易くする工夫が必要です。


「慣れ」という名の職人技

車の運転でも印刷機の操作でも、私たちは意識せずに多くの動作を体で覚えています。
これは決して単純な「慣れ」ではなく、長年の経験によって培われた一種の職人技なのかもしれません。

印刷現場では、微細な色調整や用紙の特性を見極める際、機械の反応を肌で感じ取っています。
「このボタンを押してから結果が出るまでの間」「この設定値の時の機械の振動」「用紙が正常にフィードされる時の音」など、五感をフルに使って品質を保っているのです。


新旧機種の橋渡し期間を乗り切るコツ

同じメーカー、同じシリーズの機械であっても、世代が変わると必ず操作感に違いが生まれます。この移行期間をスムーズに乗り切るために、私が実践してきたことをご紹介します。

1. 急がず、焦らず、基本に立ち返る 「前の機械では…」という思い込みを一旦リセット。新機種のマニュアルを改めて読み返し、推奨される操作手順を確認しています。

2. 小ロットから始める 大きな案件でいきなり新機種を使うのではなく、まずは社内資料や試刷りなど、失敗してもリカバリーしやすい小さな仕事から慣らしていきました。

3. 違いを記録する 従来機との操作感の違いを具体的にメモ。「紙は包みから出したらひっくり返さず入れる」「紙がカールしたらこの設定を弄る」など、細かな違いを言語化してメモしています。

4. チーム全体での情報共有 一人が発見したコツや注意点は、すぐに他のスタッフと共有。みんなで新機種の特徴を把握することで、全体の適応が早くなります。


技術進歩と人間の適応力

最新のオンデマンド機は確実に高性能になっています。
印刷速度の向上、色再現性の向上、表裏のズレの減少など、技術的なメリットは明らか。
でも、それを使いこなすための「人間側の適応」には、やはり時間が必要です。

車の運転と同じで、機械が高性能になったからといって、すぐにその恩恵を100%享受できるわけではありません。
新しい技術と長年培った経験を上手に融合させながら、少しずつ新しい操作感に慣れていく。
この過程も含めて、私たちの仕事の醍醐味なのかもしれませんね。


まとめ

愛車の買い替えで感じた違和感が、思わぬ形で仕事の振り返りにつながりました。
同じメーカー、同じシリーズでも世代が変われば必ず違いがあり、その違いを受け入れつつ、焦らずに新しい環境に適応していく…。
これは印刷業界に限らず、どんな仕事でも共通する大切な姿勢だと思います。

新しいオンデマンド機にも、車の運転にも、そろそろ慣れてきた今日この頃。
次の世代交代の時には、もう少し余裕を持って向き合えるかもしれません。
適応したものは必ず自分に良い形で還ってきますので。

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