そのライセンスで利用できるのは、1人?1台?(SDGs、まずは社内から)

そろそろ新年度の(新体制への)準備として、業務で使用するアプリやサービス等のライセンス契約の見直しを実施している企業も多いと思います。

最近のライセンス契約は年(または月)単位のライセンス利用料を支払い、利用料を支払っている間はそのアプリやサービスが利用できる「サブスク型」が主流で、ユーザー単位や端末単位で必要な数分のライセンスを契約(購入)します。

では、次のような場合、どのよに契約すればいいでしょうか?

(例) 1ライセンスで1ユーザーが利用でき、1ユーザーにつき2台の端末まで利用可能な業務用アプリ「X」を、自社の社員AさんとBさんの2名で利用したい。AさんとBさんはそれぞれ会社から支給されたAさん用、Bさん用のPCを使用して業務を行っている。企業がライセンス契約(購入)をする場合、1ライセンスの契約でいいと思いますか?2ライセンス必要だと思いますか?

 

どうも、マルワのシャドーサイドあれこれ担当です。

本日は「人は自分にとって都合のいいように物事を解釈しがちですが、物事を正しく理解し、適切な行動をすること、それも当然SDGs(CSR)ですよね!」というライセンス契約についての小話です(約5分で読めます)。

本ブログ記載内容は、一般的なライセンス契約の解釈、およびありがちな誤解の例を記載しているにすぎず、当社を含む特定の企業の運用などについて記載しているものではありません。誤解のないようお願いいたします。

 


上記の(例)の正解は「2ライセンス分の契約が必要」です。アプリ「X」は1ライセンスで1ユーザーが利用できる「ユーザー単位のライセンス」契約※1になります。

※1 因みに、業務ウェアの定番であるmicrosoft365やGoogle Workspaceもユーザー単位ライセンスです(microsoft365は一部の商用顧客や教育機関に限りデバイス単位の契約プランもあるようなので、詳細は販売店等にお問い合わせください)。

また、原則として、契約したユーザー以外の者が「X」を利用することもできません。1ライセンスだけ契約して、Aさん用PCに「X」をインストールし、Aさん用PCでBさんも「X」を使用する、というのも、社内の共用PCにインストールして、必要な時にAさんとBさんが交代で利用する、というのもNGです(利用者が1名ではないので1ライセンスでは利用できません※2)。

※2 1つの端末を複数のユーザーで利用する場合は、共有ライセンス(名称はサービスやアプリによって異なります)で契約内容に準じて必要な数のライセンスを契約します。事前に販売店等にお問い合わせください。

逆に、Aさんが社内の事務作業で使用するPCと外回り用のノートPCの2台にインストールしてAさんだけが利用するなら1ライセンスでOKです。

このように、ユーザー単位のライセンス契約の場合は、「ユーザー(利用者)」にライセンスが付与されるので、「誰が使うのか」がポイントになりますし、会社等の「組織」は「1ユーザー」とは定義されません(組織の代表者を1ユーザーとするのであれば、代表者のみがライセンスを利用できることになります)。

 

一方で、ユーザーではなく、端末にライセンスが紐づいた「デバイス単位のライセンス」契約もあります。

デバイス単位のライセンス契約となるサービス「Y」があり、「1ライセンスにつき1台の端末で利用可能」となっているのであれば、AさんとBさんが別々に2台のPCで利用する場合、2ライセンス必要なことには変わりありませんが、AさんのPCを使ってEさんが、BさんのPCを使ってFさんが「Y」を利用しても問題ないことになります。

この場合は「誰が利用するか」ではなく「どの端末で利用するか」がポイントになるので、仮にAさんが社内の事務作業で使用するPCと外回り用のノートPCの2台にインストールしてAさんだけが利用するとしても2ライセンス必要となります。

 


……というのがおおまかな「ライセンスと利用者数・利用台数」についての解釈(考え方)になりますが、案外勘違いや間違って認識(解釈)していることも多いのではないかと思います。

基本的には「1ユーザー=1人の主たる利用者」であって「1ユーザー=1つの会社」とはなりませんし、「1ユーザーで2台の端末での利用が可能」なサービス・アプリだとしても、ユーザーの異なる2台の端末で使用していい、ということにもなりません。

そうはいっても、「契約(購入)分はちゃんと支払っているし、経費は削減しないと苦しいし、ちょっとグレイかもしれないけど問題ない(キリッ)!」というのは、利用者側の都合による解釈であって、正しい解釈・判断ではありません(グレイでもありません)。

万が一不正なライセンス利用が発覚した場合は、契約違反としてアカウントが停止されたり、違約金の支払いが必要になったりする場合もありますのでご注意ください(利用規約や契約書に同意したうえで利用しているので「そんな契約内容だったなんて知らなかった」は残念ながら通りません)。

 

今回取り上げたライセンスについての解釈に限らず、人は大体において「自分にとって都合のよいように物事を解釈する」傾向にあります(私も一応人間なので、同様に都合よく解釈してしまいがちだということを自省しつつ……)。

自分はこうしたいから(こうするのがラクだから、得だから)、という基準でついつい自分勝手な解釈で「これでOK、問題なし!」としてしまいがちですし、そのように解釈したことについて、他者から「それ、間違ってますよ」と言われることに腹を立ててしまいがちですが、それ、ちょっと待った!です。

ルールを正しく理解してちゃんと守ることで社会(アプリやサービスの提供)が持続可能となり、自分たちがそれらを活用して利益を得る(事業活動を継続する)ことができる=持続可能な社会の達成=SDGs、というか企業や人の「使う責任」ですよね。

 

もうひとつ、(本題からは逸れますが)これもとても大事なことなので追記しますが、サポートが終了したアプリやサービス(の古いバージョン)を使い続けるのはセキュリティ上危険なので避けましょう※3。アプリやサービスの弱点を悪用されて情報漏えいやマルウエア感染等、事業継続上の重大な被害(影響)が発生する危険性があります。サポートが終了してしまう前に最新のバージョンに移行しておきましょう。

※3 office2013のサポートは2023年4月11日で終了します。また、office2010やoffice2007などの旧バージョンはもう何年も前にサポートは終了しています。継続して使い続けるのは危険なので、microsoft365または買い切りライセンスの最新版(2023年2月時点ではoffice2021)に移行しましょう。

 


なんだか話が飛びまくりですが、利用中(または利用予定)のアプリやサービスがどのようなライセンス契約なのかよく確認して、正しく利用しましょう、という小話でした。

 

そんなこんなな私の脳内DJの本日のパワープッシュは、私的オールタイムベストバンドのひとつであり、個人的な思い入れ(思い出)の強いアメリカLA出身のバンド、Letting Up Despite Great Faults(バンド名も素敵ですよね!)の初期代表曲にして、フォーエバーユースな大名曲、“Our Younger Noise”です!

リンクは貼りませんが、本当にいい曲なので、YouTube(公式動画もあります)や配信などで(またはCDやレコードで)、ぜひ聴いてみてください!

この歌の主人公は、かつて自分に希望を与えてくれていた聖人やカラフルな世界が見えなくなってしまったこと(純粋な心を失ってしまったこと)を嘆き、変わってしまった自分に気付きながらも後戻りできない自分を責め、私たちに向かって「あなたは本当にそのままでいいのか?」と投げかけてきます。

この曲では「もう、終わってしまった」と諦めの?ひと言で締めくくられますが、そうならないように「そのままでいいのか?(自分の都合だけではない純粋な判断・行動ができているか)」と自分を見つめ直すことも大切ですね。

 

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