ライナスのブランケットと日本人のマスク(と年末年始の行事)

もうすぐ年末年始がやってきます。またコロナウイルス感染が再度(再度×8?)拡大しつつある一方で、ここ数年ほどの「自粛ムード」はなさそうな気配が漂っていますね(今後の状況によっては、地方自治体からなんらかの要請はでるかもですが)。

 

どうも、マルワのシャドーサイドあれこれ担当です。

本日は、「他者に迷惑がかからない範囲内での多様性はお互い認めあって強制しないこと。それってつまりSDGsど真ん中ですよね」という感じの、コロナ共存 in Japanにおけるマスク着用(マスクしないこと)や年末年始の行事に関する小話です。

 


ライナス症候群(ブランケット症候群、安心毛布、ライナスのブランケットともいいます)」は、わりと有名なのでご存知の方も多いと思います。

Peanuts(あの “スヌーピー” の出てくるマンガ)の登場人物で、いつもブランケットを持っていて、それを取られるとパニックになってしまう “ライナス・ヴァン・ペルト(Linus Van Pelt)” という男の子に由来する、ブランケットやぬいぐるみ、人形、服など、何らかの「物」に執着し、それがないと(触れていないと)精神的に不安定になってしまう状態を指す名称です。

主に小さな子どもに見られるもので、成長するにつれて自然と依存しなくても普通に過ごせるようになる人が多いようですが、一方で、大人になってもブランケット症候群が続いている、という人も少なくないそうです。

大人の場合は、ブランケット以外の様々な「モノ・コト・ヒト」への依存もありますが、いわゆるライナス症候群的な執着として、「小さいころから使っているブランケット(毛布)や特定の服に触れていないと眠れない」「常に決まったハンカチやタオルを携帯し、ことあるごとに触っている(触るとおちつく)」という人がいます。

その他の様々な「依存症」と比べると、特に体に害があることではなく、また、金銭的に生活を圧迫するようなものでもない場合が多いので、無理にやめる(やめさせる)必要はないと言われていますし、大人になってからでも、何らかのキッカケでそれらに依存しなくても平気になることもあるそうなので、特に問題視されないことが多いようです。

 


新型コロナウイルス感染拡大防止のために、1年中マスクを着けて生活することがすっかり当たり前になりました(ほぼ日本限定)。

諸外国と異なり、マスクを着けることに抵抗のない人が多く、屋外など感染リスクの低い場所で十分な距離を保てるなど感染リスクの低い状況ではマスクを付けなくてもいいですよ、と国が声がけしても、殆どの人がマスクをしています(私もですが)。

そんな日本なので、「マスクなしでの会話に抵抗がある」と答えた人が半数以上に達したというアンケート結果もあります(参考:東洋経済ONLINE 2022年9月27日 岡本純子「日本人「マスク外す日」、永遠に来そうにない6理由」)。

「抵抗がある」理由も、単に感染するのが怖い(不安)というだけでなく、「顔を見られたくない」「恥ずかしい」なども一定数あり、もはや感染症の拡大とは無関係にマスクを着けていることの「良さ」を知ってしまって手放せない、マスクを着けていることで安心できる(精神的に楽になる)、という人もいるようです(私もですが)。

これだけマスクと一緒に生活していると、ライナス症候群と同じで「マスク症候群(マスク依存)」という人もいるかもしれません。

マスクを着けていないと不安で外に出られない(人と接することができない)、マスクを着けていない人を見るだけで不安になる……という人も一定数いるのではないでしょうか。

 

こうなってくると、職場内でのマスク着用は強制しない(どちらでもいいよ)、という状態に戻すことで、かえって(不安で)正常に仕事ができない、という人も出てくるかもしれません

また、行動自粛は要請されていないし、経済を回さなきゃいけないし、withコロナって言ってるし……ということで、数年間「我慢していた」人たちを中心に忘年会や新年会などの年末年始のイベントが再開される傾向にありますが、それらの行事がある、という状態に戻ることで、かえって(不安で)正常に生活(仕事)ができない、という人もいるかと思います。

同調圧力が重力以上に強力な日本なので、「誰一人マスクをしていない状況」になれば、大半の人は(内心不安でも)マスクをしなくなるし、職場の大半の人が参加するのであれば(内心不安でも)忘新年会にも参加する、となるとは思いますが、ここで重要なのは、何事も「強制はダメ、絶対。」ということです。

感染リスクの高い状況や場所では、特別な理由がある場合を除きマスク着用が強制されるのはやむを得ないことだと思いますが、そんな状況・場所であっても「マスク着用の強制」はハラスメントではないか、などと問題視されたこともありました。

今後は逆に「マスク外しの強制」や「マスクなしで会話してくる」、「コロナなんか心配してないでイベントや飲み会に参加しろと要求する」といったことががハラスメントとして問題になるかもしれません(そもそもコロナ関係なく、会社などの飲み会や行事への参加強制はパワハラになり得ますが……)。

マスク着用が必要な状況ではない場合であってもマスクを着ける人 / マスク必須ではないならマスクは着けない人、イベントや行事に参加したい人 / 家でゆっくりしたい人、いずれの人であっても、等しく何等かの不利益を被らないようにすることは、身近なSDGsといえますよね。

外せと言っているのにマスクを着けているから、とか、来いと言っているのにイベントなどに参加しないから、といった理由で仲間外れにされる、人事評価が低くなる、賞与や待遇に影響が出る、取引が不成立となる、なんてことが起きてしまう社会はSDGsや持続可能社会の真逆の社会です。

「人付き合い」や「協調性」も社会性という意味ではある程度必要な要素ではありますが、他者に危害(悪影響)を与え得る場合や安全上問題がある場合などを除き、何事も「強制はダメ、絶対。」です(大事なことなので2度書きました)。

 


お互いに迷惑がかからない範囲内であれば、必要以上に干渉しないで、それぞれの価値観を許容して生きていけばいい。

ただそれだけの話なのに、なんだかややこしいことが多い世の中だなぁ&なんだか不寛容な世の中になった気がするなぁ、なんてことを、テレビのニュースの街頭インタビュー(年末年始のご予定は?とか、感染再拡大してきたけどどうしますか?的なよくあるやつ)を見ていて思ったのでした。

マスクをしなくてもいいような状況・場所でマスクを着けていない人にクレームを付けたり、マスクを着けなくてもいいといわれているのにマスクを着けていることを馬鹿にしたり、感染への不安を理由に飲み会やイベント参加を拒否することを許さなかったり(その他いかなる理由でも参加を強制するのは間違っていますが)……etc

基本的には「いろんな考え方や価値観があって、人それぞれの好みがあって、お互いに迷惑をかけない範囲内であれば自由でいいじゃないか」と思いませんか?

他者に危害(悪影響)を与え得る場合や安全上問題がある場合などを除き、何事も「強制はダメ、絶対。」です(大事なことなので3度書きました)。

  

……と、まぁとりとめのないブログでしたが、そんな私の脳内DJの今日のパワープッシュは、韓国が誇るインディーバンド、Linus’ Blanketの “Show me love” です(バンド名、そのまんまですが)。

ソフトロックやスウィングジャズなどのエッセンスてんこ盛りで、初期フリッパーズギターなど日本のインディーポップからの影響が垣間見える(元々日本のAdvantage Lucyというバンドのコピーバンドだったそう)バンドの今のところ唯一の(といっても11年前リリース)アルバムのタイトルチューンです。

歌詞などは今回のブログ内容とは直接関係ないので引用はしませんが、とても爽やか&軽やかで、モヤモヤした気持ちが少しほぐれるような楽曲です。動画や配信サービスなどでぜひ聴いてみてください。

※余談ですが、Advantage Lucyのデビュー前のバンド名は「Lucy Van Pelt」、つまり、ライナス症候群の元になったライナスのお姉さんの名前!ここもピーナッツ繋がりですね。

曲名のように「愛」をお互いに示し合いながら生きていければいいのにな、なんてLOVE & PEACEな気持ちにもなりつつ、どうかみなさまお体にお気をつけて、平穏な日々を過ごせますように。

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