往年の名SSW、ジョニ・ミッチェルの代表曲 “both sides, now” をご存知でしょうか。あらゆる物事には表と裏、光と影がある、という哲学的な歌詞が印象的な名曲です。
この「あらゆる物事には表と裏がある」は私の思考基盤的なものでもあり、ついつい様々な事象の表と裏について考えてしまいます。
どうも、マルワのシャドーサイドあれこれ担当です。
本日は「表と裏からみた」誰かの役に立つことについての私個人のメンドクサイ小話を書いてみようと思います(※あくまでも個人的な意見です)。
「人の役に立つことがしたい」とよくいいますが、何かをすることが誰かにとって役に立つとはどういうことなのか?と心のねじ曲がってしまった、こじらせさんは思ってしまうのです。
そもそもですが、人の役に立つことをする、ということは、「その行いの結果が誰か(または何か)にとって良い結果となる」ことであり、一般道徳的に「良い行い(正義)」と言われます。それは間違いないと思います。
では、次のような状況を想像してみてください。
食べるものがなくて困っているBさんとYさんがいます。
あなたはBさんの役に立ちたい(助けたい)と思っています。XさんはYさんの役に立ちたい(助けたい)と思っています。
ここにおにぎりが1つだけあります。
あなたはBさんにおにぎりをあげたいと思っていますが、XさんはYさんにおにぎりをあげたいと思っています。お互い譲りません。
とうとうあなたとXさんは口論を始めてしまいました…
あなたはXさんのことをどう思いますか?
この場合、あなたもXさんも「誰かの」役に立とうとしていて、どちらも「良い行い」をしようとしています。
しかし、あなたから見れば、Xさんの行為はBさんの役に立とうとする自分を邪魔する「悪い行い」に見えてしまいませんか?(当然Xさんから見たらあなたの行為も同じように見えているはずです)
お互いが思う「良い行い(正義)」が一致しないために争い(悪い行い)が起きてしまう…
このようなことは日々の生活や仕事の中で頻繁に起こります(個人レベル・部署レベル・企業レベル・国家レベル等様々なレイヤーで起きています)。
例えば、いつも遅くまで残業している部下を助けたい(役に立ちたい)!という想いで作業手順や業務内容を可能な限り簡略化しようとする製造部長のCさんと、残業や休日出勤をしてでもお客様の満足するサービスを提供したい(役に立ちたい)!という想いで現場に無理を強いる営業部長のDさん。
住民のためにより良い町にしたい(役に立ちたい)!という想いで地域行事や会議への参加をみんなに強要する町内会長のEさんと、家族を楽しませたい(役に立ちたい)!という想いで休日は家族との時間にしたい(行事や会議に参加しない)Fさん。
etc…
そのような状況で自分はどうするのか、他人がしたことについてどう思うのか、というのは簡単なことではないですね。
【本日のまとめ】
自分が何かをすることが誰かにとって役に立つことなのかどうかはその行為を受けた人に委ねられるのであって、自分が決められることではありません。また、別の誰かにとっては、自分が何かをしたことが役に立たないどころか悪い行為になる可能性もあります。
場合によっては(人によっては)自分の行動を非難されることもある、と割り切る必要もありそうです。
手短に言うと、「すべての物事には表もあれば裏もある」ということです。
それを踏まえたうえで、「誰のために」「何をして」役に立ちたいのか、その時の状況に応じて自分が正しいと思った選択をしていくしかありません。
「自分が正しいと思った選択」は、「自分の中の貢献欲がより満たされる方を選択する」と言い換えてもよさそうな気がします。
また、正義の不一致による争いが生じた場合は、安直に争いを避けるだけでは自分の思う「人の役にたつ」ことができなくなるので、落としどころの模索(交渉)も重要になります。異なる正義をなるべく摺り寄せつつ、できることから行動していかないと、誰かの役に立つ(貢献する)ことはできません。
ただし、「人の役に立つ」手段(やり方)は人それぞれでもあるので、自分が「人の役に立つ」と思っていることを他人に強要するのは違うと思います。←本日一番言いたかったのは実はココ
…このようなことを賢いみなさまは無意識的に考え、行動しているのでしょうが、私はどうにも苦手なので、文字に起こして、視覚的に整理しないとこんがらがってしまいます。文字にして、目で確認するのも大事ですね。
そんなことを考えながら仕事をしている私の脳内で流れている曲はもちろん、“both sides, now”ですが、オリジナルではなく、日本のネオアコバンドb-flowerによるカヴァーバージョンでした(このカヴァーが一番好き)。
村上春樹がアンデルセン文学賞を受賞した時のスピーチで、“影を生まない光は本当の光ではない”というようなことを話していたこともふと思い出したのを付け加えて、本日はこの辺で…
駄文&長文失礼しました。