動物も人も幸せに

先日久しぶりに動物園に行ってきました。

訪れたのは、豊橋市の「のんほいパーク(豊橋総合動植物公園)」です。のんほいパークは約40ヘクタールの広大な敷地に動物園、植物園、自然史博物館、遊園地があるという国内でも珍しい複合施設です。
時間の都合で動物園しか見ることが出来なかったのですが、この動物園では広大な敷地を活用して、ゾウが国内最大級の放飼場で群れで飼育されていたり、草食動物のキリンとウシ科のエランド等が同じ草原エリアで飼育されていました。キリンが草原にいる風景をまさか動物園で見る事ができるなんて思ってみなかったので感動しました。
他の動物たちも、それぞれの習性に合わせた環境で飼育されているのが随所で見られ、こころなしか動物たちも生き生きしているように感じました。
飼育動物達が本来持つ習性や生活環境を自然に近い状態にし、ストレスを軽減させる取り組みを「環境エンリッチメント(environmental enrichment)」というそうです。
「のんほいパーク」で特に印象に残ったのは、ライオン等の肉食動物に対しての「屠体給餌」です。「屠体給餌」とは、字のごとく屠畜した動物を皮や毛、骨のついたまま動物に与えることで、ここでは東栄町で獣害として捕獲された鹿を餌として与えているそうです。
とはいえ、捕獲した鹿をそのままの状態で飼育動物に与えることは、感染症のリスクもあるためできません。そこで洗浄→冷凍→低温加熱の工程を経てウイルスや寄生虫を除去し、初めて餌として与えることができるそうです。
通常動物園で飼育されている肉食動物達の餌はウマなど家畜の肉を切り刻んで精肉にしたものが多いようですが、このような餌だけでは肉食動物達はあっという間に食べ終えてしまうので、食後の時間を持て余してしまい、それがストレスにつながり、異常行動を起こしてしまうこともあるそうです。
「屠体給餌」では、皮を剥いだり、骨をしゃぶったりできるので満足感が得られるということですね。
獣害として捕獲された鹿達も、ジビエ料理などに利用されるのは全体の1~2割程度で、あとは埋葬処分となるそうです。人間にとって害を与えてしまっている鹿達も、生きるための行動なので、決して鹿が悪いわけではありません。せめて頂いた命を「屠体給餌」としていかすこともSDGsにつながると思いました。

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