自社製品・サービス・イベントなどのPRや説明のための動画を作成して、YouTubeで公開している企業・組織も多いと思います(一応弊社もチャンネルを持っていて、動画を色々公開しております)。
また、自ら動画を作成・公開していなくても、仕事に役に立つ誰かが公開してくれている動画をセミナーや社内研修などに利用したい、と思っている人もいると思います。
では、YouTube動画を仕事に利用する場合、何がOKで何がNGか、ご存知でしょうか?
ということで、今回はYouTube動画の利用について、主に商用利用の場合についての「これはアリ?それともナシ?」という内容になります。
あ、マルワのシャドーサイドあれこれ担当です。
※ 本記事記載内容は2024年8月31日現在YouTubeが公開している利用規約およびコミュニティガイドラインを参照しております(規約・ガイドラインは改訂される場合があります)。また、本記事の解釈は必ずしも正しいことを保証するものではありません。
※ 本記事にはYouTube以外の動画サービス利用の場合についての内容は含んでおりません。YouTube以外のサービスの利用については各サービスの規約などをご確認ください。
YouTubeのルールを確認しておきましょう
YouTubeに動画を投稿する場合も、投稿された動画を利用(視聴)する場合も、まずは利用規約とコミュニティガイドラインを確認しましょう。
わかりにくいところなどについては、解説してくれている記事がネット上に沢山ありますので、それらを参考にしつつ、これはOK、これはNG、これはわからないから保留(わからない以上やめておこう)……といった感じで判断していただければいいかと思います。
ということで、本記事でも、YouTubeの利用について、規約・ガイドライン・ネット上の解説記事などを踏まえて「これはOK、これはNGであろう」ということをいくつか例を挙げてみます。
YouTubeでできること(OK)
自ら動画を投稿・公開する場合、以下のようなことは認められます。
1.他者の著作権などの権利を侵害していない、かつ、YouTubeで禁止・規制※1されている内容を含まない動画の公開・ライブ配信 |
2.自身の動画を、無償で限定公開・配信する(URLを知っている人だけが視聴可能)、または無償で全体に公開・配信すること(検索結果やおすすめにも表示され、誰でも視聴可能) |
3.自社製品やサービスなどのPR動画、利用方法などの説明(取説)動画の公開・配信 |
4.概要欄にリンクを貼っておき、自社webサイトや商品購入ページなどから商品を購入してもらえるようにすること |
5.自社内の研修などに自らが公開した動画を利用すること(研修参加者に視聴させること) |
6.自らのチャンネルに投稿した動画を削除する、またはダウンロードすること |
他者の公開する動画を仕事などに利用したい場合、以下のことは認められます。
A.YouTubeアプリ、またはWEBサイトを使って、公開されている動画を個人的に視聴すること |
B.自社のブログやSNSへの投稿に動画を「埋め込み」表示で引用すること(または動画のリンクURLをブログやSNSに記載すること) |
C.(著作者の許可を得られた場合に限り)他者が公開する動画を社内研修に利用すること |
ということで、基本的には、自社の製品・サービスなどについてのPR目的の動画を作成し、公開することは問題なし、ということになります。
また、ブログやSNSなどで「埋め込み」表示(埋め込み表示についてはコチラの記事もご参照ください)またはリンク(二次元バーコード)を表示して共有することも問題ありません。
会社の研修に使用する場合、研修動画のリンクを研修参加者に知らせ、参加者がそれぞれの端末・アプリから視聴する、という使い方はOKです(他者作成の動画の場合は事前に許可を得ていればOKです)。
ただし、多数の研修参加者を一部屋に集めて、モニター画面に動画を写して上映する場合(参加者が個別に視聴するのではなく、多数に見せるために上映する場合)は規約に違反するかもしれません(規約により不特定または多数に上映する行為は禁止されているため)。
YouTubeでやってはダメなこと(NG)
逆に、上記「YouTubeでできること(OK)」に記載されていないことはやってはダメ、ということになります。
具体例をいくつか挙げると……
1.自社製品の紹介動画などに「他者が作った音楽を許可なくBGMに使用する」「下品な言動をする」「自社製品の価値を高めるために他社製品についての偽情報を含める」などを含めて公開する |
2.限定公開・限定配信の動画のURLを有償で提供する※2(動画・配信視聴のための権利を販売する) |
3.他者の動画を複製して自身の動画と偽って公開する、または勝手に他者動画の「まとめ動画」を作成して公開する |
4.有償のセミナーや講演会、演奏会など(オンラインの場合を含む)でYouTubeの動画を不特定または多数の人に見せる(引用や事例紹介として一部を見せるだけでも厳密にはNG) |
5.店内のBGMとして、またはお客様が見えるようにYouTubeの動画や音楽を店内で流しておく |
6.イベント会場などで(パブリックビューイング的に)不特定または多数に向けて動画を上映する |
7.チャンネル登録者の獲得、再生回数や高評価の取得「のみ」を目的としたプレゼント企画の実施 |
自身が作成した(著作権を有する)動画であっても、「限定公開にしておいて、有償のセミナー・講演会参加者のみが視聴できるようにその場で上映すること」「視聴用のURLを有償で参加した人だけに知らせること」などは規約上NGとなり得ます。
自身が作成した動画で、既に全体に無償で公開してある動画をセミナー・講演会などで見せるのであればよほど問題はない気はしますが、それでも不特定または多数に上映してはダメ、という規約に反してしまうので、やはり避けたほうがいいと思います(元の動画ファイルがあるのであれば、YouTubeを介さずPCの汎用的な動画再生アプリなどを使って見せるほうがよいでしょう)。
また、他者が作成した(他者著作物)動画を引用目的で動画の一部を紹介することは著作権的には問題ないと思われますが、この場合もYouTubeの規約からすると有償のセミナーや講演会の中で利用することは避けたほうがよいでしょう。
チャンネル登録者数を増やすためにプレゼント企画を考える人もいると思いますが、登録者の獲得や再生回数増加などのためだけに金銭や物品を渡す行為は「インセンティブスパム」として規約で禁止される行為に該当し得ますのでやめましょう。
なお、規約への違反行為が確認された場合、YouTubeから警告、利用制限、アカウント停止などが発せられることがあるのでご注意ください。
……そんな感じで、引用に該当する場合であれば著作権的にはOKであっても、YouTubeの利用規約ではNG、ということもあります。
動画や配信を、自身が作成・提供する商品・サービスとして対価を得ることは商慣習的に問題ない行為ですが、YouTubeを介する以上は、許可されない方法で収益を得ることはできない、ということになります(当然、他者のコンテンツを無断で使って収益を得ることも禁止です)。
利用規約に反しないように適切に利用するようにしましょう。
ということで、本日の私の脳内DJのパワープッシュは単体の楽曲ではなく、先日奇跡の再結成がアナウンスされた(まさかあの兄弟がまた同じステージに立つ日が来るなんて!と驚愕した人も多いと思います←ツアーが無事終わるまで油断はできませんが)、Oasisのデビューアルバム「Difinetly Maybe」です!
“俺はロックンロールスターだ!”なんてストレート過ぎる曲で騒々しくはじまり、”俺は家に帰るよ”と言って静かに終わる、音楽史に残る名盤(と言われています)ですね。
このアルバムタイトルを日本語に訳すと、「間違いない!……多分ね」という感じで、断言しているようでいて、実は曖昧な意見や態度をあらわす慣用句ですが、今回のブログに書いたようなことについても「Difinetly Maybe」と思っている人もいるのではないでしょうか(正直、私もですが)。
こういうツールやサービスの利用については、どこまでがOKで、どこからNGなのか判断に迷うことも多いですが、適切に利用していきましょう(あくまでも最終的な利用判断については自己責任でお願いいたします)。
本日はこの辺で……