弊社の公式YouTubeチャンネルがあるのをご存知でしょうか?
そこまで更新頻度は高くないですが(反省)、当社について、または印刷について、「少しでも興味を持ってもらいたい!」という思いを込めた動画を少しずつアップしておりますので、よろしければ、一度覗いてみてください。
弊社のように、自社の宣伝やイベント・技術紹介等のためにYouTubeで動画を公開している企業は沢山あります。
そこで、今回のブログは、タイトル通り、企業が正しくYouTubeを利用するために気を付けたいことをまとめた、という内容にしてみました(かなり基本的なことしか書いておりませんが)。
どうも、マルワのシャドーサイドあれこれ担当です。
1.利用規約を理解する
YouTubeは個人でも企業でも、基本的に誰でも利用できるサービスであり、様々な動画が公開されていますが、当然、何をしても自由!というわけではありません。利用者が最低限守らなければいけないルールが利用規約に記載されているので、まずはよ~く読みましょう!そして、規約に反するような投稿および利用をしないようにしましょう。
例えば、次のような行為は禁じられています(規約より抜粋し、一部文言を変えております。詳しくはYouTube利用規約をご確認ください)。
- YouTubeの機能や公開されている動画コンテンツを改変したり販売すること
- 個人を特定できる可能性のある情報(ユーザー名など)を収集または取得すること(本人が許可した場合を除く)
- ユーザーに金銭を支払う等の不正行為によって再生回数やチャンネル登録者数を増やすこと
- YouTubeのポリシーに反するようなコンテストを開催すること
- 不特定または多数の人のために、YouTubeの動画を上映したり、音楽をストリーミングしたりすること
ざっくりまとめると、YouTubeのポリシーに反する行為や、視聴者を欺くような行為は絶対にNGですよ!ということです。
また、案外見落とされがちですが、店頭やイベント会場等でYouTube上に公開されている動画を不特定多数が視聴できるように上映したり、店内BGMとして流したりすることも禁止されていますのでご注意ください。
2.著作権や商標権を侵害しない
著作権の侵害を含む他者の権利を侵しているような動画を投稿することも当然NGです。
企業発信の動画でそんな悪質な投稿なんてしないよ!と思われるかもしれませんが、例えば、次のような動画の公開は問題になる可能性があります。
- 自社が紹介された他社制作のニュース番組や情報番組を録画したもの
- 撮影禁止のイベント等を無断で撮影したもの(たとえ自社が参加していても主催者の許可がなければNG)
- 他者著作の楽曲をBGMに使った自作動画(著作者が利用を許可している楽曲素材は除く)
- 他者著作物のキャラクターが登場する動画(自身で描いたものであっても、特定のキャラクターであることが容易に推測できるものはNG)
- 他社や有名製品と誤認識するような内容の動画(有名企業のCMとそっくりな動画、他社のロゴの無断使用等)
YouTubeは投稿される動画の著作権侵害をチェックしています。著作権侵害と判断された動画であっても、著作者が許可した場合に限り一定の条件(広告収入の権利放棄や正規著作者のクレジット表示など)で公開を継続できることもありますが、著作権者が許可しなければ当然削除となります。
自身で購入したCDやDVD等であっても、所有権を得ただけであり、著作権者の許可なしでネット上へ公開(公衆送信)できる権利はありません。
また、「著作権フリー」の楽曲やイラスト素材でも、必ず利用規約に反しない範囲内で使用しましょう(クレジット表記必須、改変不可等一定の条件がある場合も多いです)。
なお、ExcelやPowerPointなどのOffice系ソフト、Adobe IllustoratorやPhotoshopなどDTP系ソフトなどの操作説明(テクニック紹介)のために操作画面を撮影(録画)した動画については、操作説明が主目的である場合に限り問題なしと判断されることが多いようです(禁止しているメーカーもあると思いますので、必ずWEBサイトや利用規約等でご確認ください)。
3.肖像権やプライバシーに配慮する
動画内に映る人の肖像権やプライバシーを侵害しないことも必須です(個人情報の保護)。ネット上に顔や名前を晒されることに抵抗のある人もいますし、顔や名前が映ったことが原因でストーカーやなりすまし等の犯罪被害にあってしまう危険性もあります。
通行人や来場者など、撮影場所や画面内に「たまたま」写り込んでしまっただけの人であっても、顔や名前がはっきりと映っていて、動画公開についての同意を得られていない場合は、可能な限り当該部分をカットするか、ぼかし処理をする等の配慮をしましょう(車のナンバーや名札、表札なども文字が認識できないように加工しましょう)。
そして、自社社員の肖像権やプライバシーへの配慮も忘れないようにしましょう!
会社PR動画等に自社社員を出演させることも多いですが、自社社員なら撮影・公開の許可不要というわけではありません。嫌がる社員を無理やり撮影したり、社員のプライバシーに触れる内容の動画を作成したり……なんてことはやめましょう。
また、後々のトラブル回避のためにも、出演者が退職した場合の動画の取扱いについても事前に決めておく(同意を得る)とよいでしょう。
例えば、以下のようなことについて確認(本人と同意)しておくと良いでしょう。
- 動画の公開範囲や公開期間、用途などについて(無期限で一般公開するのか、公開範囲や期間を限定するのか等)
- 出演社員退職後の動画の公開継続や公開期間について(退職者が希望するなら出演箇所は削除することが望ましい)
- 出演範囲について(全体の中の一人として映るだけなのか、顔と名前がはっきり映るのか等を事前に確認しておく)
- 出演を拒否する場合について(拒否を理由に不当な扱いをしない等)
- 同意した内容が遵守されている限り動画の公開・自身の映像の使用について異議申し立てしないこと
特に、いったん作った動画を何年も公開し続ける場合等は必須とも言えます(確認は口頭でもいいですが、書面の方がトラブルを回避できると思います。また、入社時等の包括的な同意より、動画を作成する度に確認するほうが良いです)。
4.ウケ狙いはほどほどに
目立ちたい!注目されたい!からといって、やりすぎはNGです。
例えば…
- 競合他社や製品についての誹謗中傷や攻撃的なコメント
- 冗談のつもりの暴力行為や危険な行為、ハラスメントや差別ともとられかねないような言動
- 食べ物を粗末にする、動物を乱暴に扱う等一般常識やモラルに反する内容
- 嘘やデマ、間違った情報の流布とも受け取られるような言動
- 社員のプライベート情報を本人の許可なく公開してしまう
これらのような内容は、企業イメージを大きく損ねてしまうリスクがあるので注意しましょう。
YouTubeのチェックや視聴者からの報告などで内容に問題があるかどうか判断されるため、たとえ故意ではなくても、問題のある動画とされてしまうこともあります(某超ヒット曲のMVが不適切な内容を含んでいると判断され、警告表示されたことが話題にもなりました)。
有名YouTuberを真似て、オモシロ動画を作りたい!と思うかもしれませんが、企業として動画を作成・公開している以上、動画の内容が企業イメージに直結することを忘れないようにしましょう。
また、動画担当者(いわゆる「中の人」)の個性も大切ですが、あくまでも企業を代表して担当していることを忘れないようにしましょう。
5.炎上させない努力を
「4.ウケ狙いはほどほどに」とも関係しますが、YouTubeやSNS上では、ちょっとした言動や表現が、「炎上騒動」のトリガーになっしまうことがあるので、投稿内容やコメント(リプ)には注意が必要です。
もちろん、どんなに注意をしていても、ほんの些細なキッカケで炎上が起きてしまうことはありますが、例えば次のようなことに配慮して、少しでも炎上の可能性が低くなるようにしましょう。
- 誤解を与える内容や表現を避ける(ステマ・やらせ演出等をしない)
- 他者に不快感を与える内容(暴力や暴言等)の動画を投稿しない
- 他者の権利(プライバシーや企業秘密等)を侵害する投稿をしない
- 否定的なコメントに対して攻撃的な返信をしない(できる限り誠実に対応をする)
- 公開した動画に問題があることが確認された場合は速やかに削除する
実務上のクレーム対応と同じで、対応を誤るととんでもない負の影響がでてしまうこともあります。
炎上や攻撃的なコメントがあった場合の対応マニュアル等を企業として準備して、担当者に周知しておくとよいかもしれません。または、最初からコメント機能をオフにしておく(ユーザーがコメントできないようにする)という対応もあります(一方で有益なコメントを得る機会を失うことにもなるので、企業としてどちらを優先するか判断しましょう)。
……といった感じですが、弊社でも注意に注意を重ねていかないといけないな、と自戒を込めたブログでした。
「他者の権利を侵害しないこと=自らの情報発信を有意義なものにすること」でもあります。
気を付けつつ、楽しんで動画作成&投稿していきましょう!
ということを書いている私の脳内では、Alvvays(誤植じゃないです、v2つでwの意)の気怠くもどこかノスタルジックな名曲“Dream Tonite”がリピート再生され、メリーゴーランドのようにずっと同じところをグルグルしてるだけのような人生の中で、「ただ消えていくだけの火」を灯すのは誰?と問いかけてきます。
1人でも多く見てもらえるかな?面白いと思ってもらえるかな?と心配するよりも先に、誰かの権利を侵害していないか?削除されるリスクはないか?言ってはいけないことを話していないか?映してはいけないものが映っていないか?等というところをまずは気にかけるようにしましょう。
そうしないと、せっかく苦労して作成した動画が「ただ消えていくだけの火」になってしまわないようにしたいですね。