小沢健二の“流動体について”という曲に次のような一節があります。
意志は言葉を変え
言葉は都市を変えてゆく
作詞:小沢健二
新型コロナウイルス感染拡大や感染防止策が日常生活や経済に多くの影響を与えている中で、私たちの「意志」が「言葉(=言動)」を変え、「都市(=生活)」を変えています。
「意志」というとやや大げさに感じるかもしれませんが、「今日電車に乗るか/乗らないか」「明日友人と会うか/会わないか」等些細なことを決めるのも「意志」ですよね。
このような状況で私はどうしたらいいのか、なんてことを考えている最中、私の脳内Spotifyのランダム再生では“流動体について”が何度となく流れております(ランダムなのに)。
どうも、マルワのシャドーサイドあれこれ担当です。
本日は、“結局のところ、良いと思うことを決意する、それくらいしか私たちにはできないのでは?”という個人的に思うところの小話です。
※誤解を招くといけないので追記しますが、小沢健二“流動体について”は2017年2月リリースの曲であり、「人生のある時点で別の選択をしていたらどうなっていたか?選択の結果ある“今”にどう向き合っているか?」を歌ったもので、今のような世の中の混乱について歌ったものではありません。
今回の新型コロナウイルスのように“未知なるもの”については、「わからない」から様々な憶測が飛び交い、混乱が生じます。そして、そんな混乱状態のまま、インターネット(特にSNS)やテレビからものすごいスピード&量の情報が流れてきます。
その中には少なからずデマやフェイクニュースもあり、「誤情報」を信じてしまう人、信じてはいないけど何となく不安になって「誤情報」に乗っかってしまう人、何らかの意志を持って「誤情報」を拡散してしまう人、が沢山でてきてしまいます。
また、「誤情報」ではないものの、「誤解」を招くような情報の切り取り方(伝え方)も多く見られます。
誤情報や誤解のせいで、風評被害、差別、いじめ、買い占め、暴言や暴力……等の人の悪い面が表出するのも有事のデフォルトで、今回もウイルスそのものよりも、こちらのほうが怖いし、被害も大きいような気がします。
こんな時こそ、自分の言動が、
- デマやフェイクニュースの拡散の手助けになっていないか?
- 必要以上に不安感を煽り、他者を扇動していないか?
- 差別や暴力行為に繋がるような言動ではないか?
- 自分だけでなく、みんなにとって良いことになるか?
と自らに問いかけ続け、
- 特定の情報源に偏らない
- 迷ったらより扇動的では「ない」方を選ぶ
- 安易に「全体」に流されない
- 敢えて自分にとって都合の悪い情報も取り入れる
ことを意識して、できるだけ正しく情報を収集するように努め、「悪い面」の表出(負の連鎖)を断ち切ることが重要になってくると思います。
ライブハウスへの風評被害(音楽活動そのものへの批判すらある)や若年層への根拠なき批判(公園で遊んでいるだけで苦情がくる)を見ていると、もし一斉休校にならない状態で、感染者が出た学校のみ休校や卒業式中止なんてことになっていたら、感染した生徒やその家族がどんな酷い目に合わされたか……とゾッとします。措置そのものへの是非はありますが、「国のせいにできる」ことで、そんな最悪なことを避けられたのは良かったのではないかと思ってしまいます。
前述の“流動体について”には次のような一節もあります。
神の手の中にあるのなら
その時々にできることは
宇宙の中で良いことを決意するくらい
作詞:小沢健二
結局のところ、今のような人の力を超えた事象(=“神の手の中にある”)に対しては、今いる場所と今やれることの中で(=“宇宙の中で”)、少しでも“良いことを決意”して行動するくらいしか私たちにはできないのではないか、と思うわけです。
どんな「決意」であっても、後々(結果論として)「あの決意は素晴らしかった」と言われることもあれば、「あれは間違っていた(こうするべきだった)」と言われることもあります。
「社会的な責任」のために休む(休ませる・止める)決意をする人、
「社会的な責任」のために休まない(休ませない・止めない)決意をする人、
「社会的な責任」を果たすことが一部にとっては「無責任(迷惑)」とされてしまう人、
「社会的な責任」という大義名分に便乗した同調圧力や差別の蔓延、
……様々あります。
私自身としては、
- できる限り心穏やかに過ごしていくこと
- 適度に関心と疑問を持って知見を広めること
- 自分の立場だけでなく、いろいろな立場があることを忘れずに考えること
によって、“自分(だけ)にとって良いこと”ではなくて、“宇宙の中で良いことを決意する”ことが「社会的な責任」ではないか、と思ったり思わなかったり……
少なくとも、私利私欲のためだけに動く(社会的責任を放棄する)ことはしないように、と。
…なんてことを当社のBCP(事業継続計画書)の見直しをしつつ思ったのでした。
当社もBCPを計画し、定期的に見直してはいますが、今回の感染拡大や近年の大型災害の多発等から鑑みても、まだまだ考えること、備えることは多いです(常にアップデート&バージョンアップしていかないといけません)。
もちろん、どんなに準備や計画をしたところで、想定外のことは起きるし、そもそも想定通りに行くことの方が圧倒的に少ないのが現実です。それでも、何も準備していないよりは何らかの準備をしておいた方が(多少は)あたふたせずに済む、ということは今回の感染拡大と、それによる世の中の混乱を見ていても間違いないはずです。
感染により亡くなられた方のご冥福と、療養中の方の1日でも早い回復をお祈りいたします。
早く何でもない日常が戻りますように。