平安時代・江戸時代・現代の情報量

はじめに

こんにちは。オンデマンド機担当のOです。

先日、ちょっと昔の研究結果で平安時代の人、江戸時代の人、そして現代人の情報量の差について書かれたものを目にしましたので、その内容から印刷・デザイン業界の視点で何をすべきかについて考えてみました。


平安時代の人々の情報環境

一生分の情報量 ≒ 現代人の1日分

口伝、和歌や物語、手書きの書物が中心で、文字を読める人は限られていた時代。情報は「人づて」で伝わり、「限られた人にしか届かない」ものでした。

印刷技術が存在しない時代、情報は希少で、伝える手段そのものが文化を形づくっていました。


江戸時代の人々の情報環境

1年分の情報量 ≒ 現代人の1日分

寺子屋での教育が広がり、識字率が上昇。瓦版(ニュースのような印刷物)や浮世絵、芝居などを通じて、情報が広く流通するようになりました。

ここで初めて「印刷物」が庶民の生活に浸透し、情報が広く共有されるように。瓦版や浮世絵は、まさに当時の「デザインメディア」として人々の目を引き、情報を伝える役割を果たしました。(今やっている大河ドラマも…?)


現代人の情報環境

1日で過去の人々の一生分・一年分に匹敵する情報量

インターネット、SNS、動画配信、広告、メール、ニュース速報など、秒単位で情報が更新される時代。文字だけでなく画像・動画・音声が同時に流入します。

現代は「情報が溢れすぎる」時代です。ここで重要になるのは、情報をただ届けるだけでなく、どう整理し、どうデザインするか。


印刷・デザイン業界にとっての意味

平安時代:情報は希少で、伝える手段そのものが文化を形成していました。

江戸時代:印刷物が庶民に広がり、デザインが情報伝達の力を持ち始めました。

現代:情報は過剰で、デザインは「選び取る力」を支えるフィルターとなります。

私たち印刷・デザイン業界は、情報過多の時代において「見やすく」「伝わりやすく」「記憶に残る」形に整える役割を担っています。単なる情報の洪水ではなく、意味あるメッセージとして届けるために、印刷物やデザインは今も頑張っています。


まとめ

  • 平安時代:現代人の1日分 ≒ 平安人の一生分
  • 江戸時代:現代人の1日分 ≒ 江戸人の1年分
  • 現代:秒単位で情報が流入し、過去の人々の想像を超える量を処理

こうやって見てみると現代人の頭が少々心配になりますね。…というわけでフィルターとして必要な情報は届けつつ、余分なものを省き、分かり易くするのが私たちの印刷・デザイン業界の使命かと思います。

こんなにも情報が溢れている現代では、誰かがその交通整理を担わないと大変なことになりますよ、というお話でした。

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