最近でもないけどひとり焼き肉やひとり鍋、ひとりカラオケなんかもすっかり定着しました。
それでかは分からないものの、昨年は乃木坂46から「おひとりさま天国」という曲もリリースされました。
「おひとりさま」というワードは2005年の流行語大賞にノミネートされた流行語です。この年の大賞は「小泉劇場」と「想定内」でしたから一昔どころか二昔前くらい隔世の感があります。
そんな中、令和の時代に書籍に関して、「ひとり」であることで気を吐くモデルがあるそうでNHKで紹介されていました。
それが「ひとり出版社」と「ひとり書店」。
出版社の方で紹介されるのは、昨年の紀伊國屋書店年間ベストセラートップ10にも入った「愛するより愛されたい」を出版した万葉社さん。万葉集を現代風に解釈した企画が幅広い層に共感されたわけですが、執筆から出版までまさにひとりで手がけるこの出版社の主は、何でも27歳になるまで本すら読んだことが無かったそうです。
そんな若者がコロナの給付金の10万円で一念発起、出版社をひとりで立ち上げ、ベストセラー作家兼プロデューサーへと至ります。
勝手なイメージで出版業界ってしがらみやコネが重要、みたいに思われるけどそれらが一切無いから良かったんでしょう。また、一人で活動するからプレーヤーの視点とプロデューサーの視点、両方を感じながら自分が面白いと思ったことをやれる自由さが今の時代にマッチしたんですね。
もうひとつの「ひとり書店」。こちらも一人で立ち上がられ、そこでは一般の人に書店の本棚を貸し出し、そのスペースのオーナーが好きな本を売ることができる交流スペースを運営しているそうです。共感の輪が広がって、多くの人が集っているそうです。色んな人が選んだ本が集まるから新しい発見がある、多様性が尊重される時代背景にもマッチしているんだと思います。この書店を運営している人ももともとはコーヒーを中心に活動しているそうで、根っからの書店業界の人手はないそうです。
どちらも閉鎖的なしがらみに囚われず、以外と低いハードルで始められたようです。今はひとり出版社も多数あるそうですが、NHKで取材されていたのはどちらも香川県の事例。香川と言えば製紙で有名な土地柄と言うこともあったのかもしれません。
因みに私は社内で「ひとり代理店」と一部では呼ばれており、本業の印刷以外のあれこれに首を突っ込みがちで、書籍に関する専門知識は持ち合わせておりません。
マルワにはHIME企画出版がありますし、自費出版アドバイザーも多数在籍しています。
書籍を通して社会に貢献を、というと大仰になってしまいますが、専門性としがらみに囚われないゆるさを活かして発信のお手伝いができれば良いなと思います。