印刷に携わって

ここ数日やっと朝晩が涼しくなりもう秋なんだなあと感じます。

10月に入り今年もあと三か月となりました。いつもながら月日が過ぎるのがとても早く思えます。

さて、僕がこの印刷業界に携わって30年余りになります。

その間、転職もしつつ会社、担当部署を変わりながらいろんな経験させてもらいました。

編集作業に始まり、企画デザイン・版下作成作業、4色印刷機オペレーターそして営業職…。

本当にいろいろな印刷工程を覚えながら時には失敗もし、仕事をやり終えた時の喜びも実感しながら日々過ごしてきました。

働き始めた頃、印刷の工程で最初に驚いたのは、金属活字を一文字づつ拾い文章を作っていく写植機です。数千字とある文字盤の配列を覚え手動で打っていく作業はまさに職人さん。素人には真似できない作業です。いつも後ろから覗き見てすごいなあ~と思いながら見ていました。

また今では、4色印刷機があたりまえですが、その頃勤めていた会社はまだ2色印刷機しかなくカラーを印刷する場合は当然2回機械を通さねばなりません。聞くだけでは簡単に思いがちですが、この版を寸分の狂いもなく2回通しで合わせるのは至難の業です。これもまた職人技であります。

もちろんPCでメールを送るということ自体もなく、お客様との連絡手段も電話か直接会いに行かなければなりません。校正のやり取りで得意先と会社を一日に数回往復したことも多々ありました。今思えばかなり効率の悪いことをしていたんだなあと思います。

このように昔は設備もまだまだアナログであり、今では考えられない作業がたくさんありました。

それから30年余りで機械設備も発展をつづけ高度な技術が可能となり、当然デジタル化が進みいろんな作業が簡略化されてきています。それでいてきれいで質の良い印刷物が出来上がる。少し経験を積めば誰でもできるそんな時代です。昔ながらの職人気質の方々が少なくなったのは少し寂しい気がします。

年々、印刷物の需要が減ってきてはいますが、まだまだ紙媒体の良さが伝わるよう、手間を惜しまずこだわりを持って良いものを届けていきたいと思います。

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