紙の印刷物と、紙の印刷物の価値と

直木賞や芥川賞だけでなく「このミステリーがすごい!」など、本にまつわる賞は多くあります。

みなさんは参考にされ買われたことはあるでしょうか。

文学の世界だけではなく漫画にも賞がいくつもあります。

その中の一つ「マンガ大賞」が3月27日に発表となりました。

週刊ジャンプ連載中の落語を舞台にした「あかね噺」や、『少年ジャンプ』のアプリケーション「ジャンプ+」で最終話が350万閲覧を達成した「タコピーの原罪」などの大本命を抑え大賞を受賞したのは、とよ田みのる先生の「これ描いて死ね」。

漫画を読むのが好きな高校生1年生の主人公が、あることをキッカケに漫画を描く側になって、作品を作る楽しさと苦悩を描いた創作青春劇です。

現在はリンク先の「サンデーうぇぶり」で1話が無料で読めます。

と書くと、タイトルの「紙の印刷物の価値」とは逆行しているような気がしますが、本題はココから。

この1頁目にも出てくる漫画内漫画「ロボ太とポコ太」。

「これ描いて死ね」の本編では「ロボ太とポコ太」の全編を読むことはできませんが、とよ田みのる先生自身が同人誌として発行され、紙の本としてだけ読むことができます。

https://shop.comiczin.jp/products/detail.php?product_id=41422 ※現在、売り切れ中

「紙の本だけでしか読めない」「通販や同人誌即売会などでしか入手できない」ということが便利に慣れ過ぎた今では特別感として演出されています。

最近は、舞台やライブも、有料のオンライン配信で見ることができ地方に住んでいると重宝しています。

オンライン上で完結するので、決済が終わると配信アドレスや視聴コードなどがメールで送られることが ほとんどです。

とても合理的です。

合理的ですが、特別感が薄れてきた気がします。

この4月に公演される舞台、コントロニカ「回廊」はリアル開催とオンライン配信が行われます。

このオンライン配信、通常の視聴コードだけが届くものと、視聴コードが書かれた紙のチケットが届くものの2種類が用意されていました。

もちろん紙の方が高いのですが、予想をはるかに超え、増刷をしたけど完売となりました。

「オンラインなのに紙のチケット」というは、これも時の流れに逆行しているかもしれませんが、特別感は増します。

また今年1月にマルワで行われた「委員会発表」にゲストとして参加していただきました原田さとみサン。

もう30年近く前にいただき、ファイリングして取ってあった原田さんの宣材リーフレットを持参したら、懐かしさと大事に保管していたことに喜んでいただきました。

データではなく、紙であることの意味を考えないといけません。

当社、社長のブログでも「紙の持つ質感、その質感だから表現できるもの、そうしたものは残っていくのだと思うのです」とありました。

https://www.maruwanet.co.jp/tori/?p=20704

もちろん我々が印刷会社だから、より強く思っているのかもしれません。

ただ印刷に携わっている以上、より強く想い、より強く考えていかなくてはいけません。

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