新入社員から、こんな質問をされることはないでしょうか?
「なんで、これはAの方法でやらないのですか? 今やっているBの方法のよりAの方が効率的で上手くいくと思うのですが?」
こんな感じで理にかなった質問。
このときの答えは往々にして「たしかにAの方が効率的だけど、何度か試して不具合が出たから、Bの方法でやっているんだよ」となりますが、たまに「(考えるのや実際にやるのが面倒くさいから)まだ試してないんだ」と答えてしまうときがあります。
「いかんなぁ」とは思うのですが、やってないので仕方ありません。
自分が面倒くさいと思うことは、他の人も面倒くさいものです。
ただ稀に その面倒くさいことが苦にならない人がいます。
それは「他人には面倒なことでも、当人にとっては好きなことやっている人」です。
長い期間で見たら、面倒くさいことが苦痛な人は、苦にならない人には敵わない気がします。
言われたら、なんだそんなことかと思われるぐらい単純な話です。
ただ、この自分が好きなことをどう仕事に結びつけるかが難しいのです。
などと考えていると最近、そのヒントになる話がラジオから流れてきました。
1966年に出版された神谷美恵子著「生きがいについて」の専門家の方と対談なされた本「僕とカフカのひきこもり」を出版された伊集院光さんが、ピーターバラカンさんの番組で「生きがい」についてこう話されていました。
・子供のころに、時間を忘れてやっていた好きなことにヒントがある
・その好きなことに、人の役に立つという社会性を持たせると「生きがい」になる
なるほど。確かに自分が好きなアーティストの昔の楽曲を調べたり、自分の好きな漫画の時代背景について調べたり、楽しいことをしているときは時間を忘れます。
千利休の「器用さと 稽古と 好きの そのうちで好きこそものの 上手なりけれ」が、元とされている諺「好きこそ物の上手なれ」も、好きなことを学ぶのは、苦にならない。
だから長続きできるし、より深いことまで行うことができ、結果、上手くなるのではないかと僕は解釈しています。
上手いから、好きになるし楽しくなる。
好きで楽しいから、上手くなる。
卵と鶏のように、どちらが先かはわかりませんが、どちらが先かは問題ではない気がします。
仮に今就いている仕事が好きでなく「やりがい」を見出せなくても、「上手いから、好きになるし楽しくなる。好きで楽しいから、上手くなる」は適用できるのではないのでしょうか。
今年の新入社員との挨拶で「とりあえず、全部覚えるぐらいの意気込みで研修期間に多くのことを覚えてください。その方が後々で楽になります」という話をしました。
はじめて英語の授業を受けるとき、アルファベットを覚えたり、簡単な英文を覚えたりするのを怠けてしまうと、どんどん授業についていけなくなり、後々、大変なおもいをするのは想像に難くありません。
多くの時間を会社・仕事に費やします。
その多くの時間をストレスなく過ごすためには
・仕事に「生きがい(好きなこと+社会性)」を見つける。
・楽しくするために、上手くなる。
この2つが近道のようです。
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