見方が変わる

先日、新元号が発表されましたね。平成が終わってしまうことに少し寂しさを感じている平成6年生まれです。令和という言葉の響きも優しい雰囲気でいい感じですが……こればかりはもう慣れですね。笑

平成は自分の生まれた時代なので、当然平成のカルチャーと共に育ってきました。

聴いてきた音楽は、大半が平成にデビューした歌手たちの曲です。基本ジャンルを問わずいろんなものを聴くので、好きな歌手はたくさんいるのですが、特に宇多田ヒカルさんは昔からずっと好きな歌手のうちの一人です。

人を惹きつける癒しの声(そういった声質を「f分の1」ゆらぎというらしいです。気になる方は調べてみてください!)だけでなく、言葉選びが個人的にはとても好きです。

私の語彙力のなさのせいでまったく良さが伝わりませんが……。笑

曲を聴くついでに、彼女のこれまでのミュージックビデオはだいたい観漁ってきたのですが、その中で特に印象深いのが「FINAL DISTANCE」という曲。

学校の制服を着た現代を生きる宇多田さんと、天使のような格好をした別の世界を生きる宇多田さんが一人二役で登場します。

最初は、離れ離れになった恋人たちのための曲かな?くらいの認識だったので、ミュージックビデオの世界観と歌詞に何の関連性があるのだろう?と疑問を感じていました。

しかし、調べていくうちに、その背景にはきちんとした意味があることがわかりました。

2001年に起こった「付属池田小事件」を覚えていらっしゃいますか?その事件で亡くなった女の子の一人が、宇多田さんのファンだったことから、それを知った宇多田さんがその子のために捧げた曲なのだそうです。

被害にあった子どもたちは、確か生きていれば私と同世代です。当時私も小さかったので、そんな悲しい事件があったなんて知りませんでした。

それを踏まえてから観ると、ミュージックビデオの二人の宇多田さんの切なそうな表情であったり、現実とは違うようなもう一つの世界観は、命の重み、生と死の世界を表しているんじゃないか、と個人的に感じました。きっとそこには、宇多田さんなりの追悼の意が込められているのだと思います。

作られたものの背景や意味を知る前と知った後では、見方が全然変わるということを改めて実感しました。

この「FINAL DISTANCE」はとても胸にグッとくる曲です。皆さまもぜひ聴いてみてください。

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