その新聞記事、本当に使って大丈夫?-清掃員スキリの事件簿-

どうも、マルワの裏方あれこれ担当です。

今回は、これまで「ちょっとした著作権の話」として書いてきた、著作権についての注意喚起的な内容を、これまでとは趣向を変えて(物語風?)、その名も「清掃員スキリの事件簿(著作権トラブル編)」としてみました(キャッチイラストはすぐに「それ」ってわかると思いますが、AI先生作です)。

第一話は(シリーズ化する気満々)「記事共有の落とし穴」と題して、「自分(自社)が記事になったからといって、その記事のコピーをSNSなど無断で投稿するのはありかなしかでいったら基本的には『なし』なんですよ」という内容です(ちょっとした著作権の話⑧と内容的にはほぼ共通です)。

これを機に、著作権について学んでみようと思っていただければ幸いです。

 


著作権トラブル編 Vol.01 記事共有の落とし穴

【免責事項】 

  • 本コンテンツは、筆者が作成した文章について、生成AI(OpenAI社のChatGPT、Microsoft社のCopilot)を活用して校閲し、修正後の文章を再度当社にて加筆・編集を行ったものです。また、イラストはAdobe社のPhotoshopの画像生成機能(Firefly)とGoogle社のGeminiを活用して作成したものです。
  • 登場する人物・団体・名称などはすべて架空であり、実在のものとは関係ありません。
  • 内容の正確性・完全性については必ずしも専門的知見や現実の事実に基づくものではありません。
  • 本コンテンツの利用により生じたいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

 

【登場人物】

スキリ: デジタルリスク管理のスペシャリストであるが、ある事情から現在は清掃員として働いている。豊富な知識と鋭い観察眼を持ち、社員からの信頼が厚い。本作の主人公。

イシカワ: 法務部主任。普段は優しいが、一度怒ると怖い。

ヌケオチ: 広報部所属。マジメだが少しうっかり者。今回のトラブルの当事者。

日本の某所。××(ばつばつ)株式会社。

朝の巡回清掃を終えたスキリは、いつものように給湯室でコーヒーを飲んでいた。ふと、広報部の扉の隙間から、ただならぬ声が漏れ聞こえてくる。声の主は法務部のイシカワ主任と広報部のヌケオチさんである。

イシカワ主任
イシカワ主任

ヌケオチさん……、これはどういうことだ?会社が新聞に掲載されたって記事を写真に撮ってSNSに投稿したよね?あれ、新聞社から“著作権侵害”で削除と謝罪の要請が来てるんだよ!

ヌケオチ
ヌケオチ

えっ……、あの投稿ですか?当社のことが書かれている記事だったし、宣伝にもなると思って……。せっかくなのでみんなにも見て欲しくて社内サーバーにもアップしてましたが……

広報部のただならぬ様子に気付き、モップを持ったままスキリが様子を見に来る。

スキリ
スキリ

ヌケオチさん、イシカワ主任、何かトラブルですか?

イシカワ主任
イシカワ主任

あぁ、スキリさん。ヌケオチさんが会社のSNSに投稿した新聞記事が問題になっているんです……

スキリ
スキリ

ヌケオチさん、どんな記事を、どのように扱ったのか詳しく教えてもらえますか?それと、記事の複製投稿について新聞社から許可をもらっていましたか?

ヌケオチ
ヌケオチ

はい……。地元新聞にうちのプロジェクトが取り上げられたので、嬉しくてスマホで記事を撮って、それをSNSにアップしました。その画像を社内の掲示板にも載せました。うちの記事だったから、問題ないと思って……。許可は取っていません。

スキリは掃除カートの奥から、まるで秘密道具のようにタブレットを取り出して、投稿を確認する。

スキリ
スキリ

なるほど……。これはまずいですね。新聞記事も著作物です。著作権の例外として認められる『引用』や『私的利用』に該当する場合を除き、許可なく記事を複製したり、公開したりしてはいけませんよ。

ヌケオチ
ヌケオチ

そんな……。当社を紹介する記事でもダメなんですか?今度テレビの取材も入ることになっているので、紹介された番組の画面も写真に撮って投稿するつもりなのですが……(なんで掃除カートからタブレットが?っていうか、あのイシカワ主任がスキリさんのことをめっちゃ信頼しているっぽい……スキリさんって一体?)

スキリ
スキリ

記事の内容が自社のことでも、それを掲載した新聞記事の著作権は、発行元の新聞社にありますテレビ番組もテレビ局の著作物なので、画面を写真に撮って投稿することも、著作権の例外に該当しない限り著作権侵害となる可能性があります。著作権の例外に該当する場合を除き、無断で複製・公開することはできないのです。それに、社内の共有サーバーなどに記事の複製画像を保存して、社内で共有することも著作権の侵害になり得ます。どちらも今すぐ削除したほうがいいですね。

ヌケオチ
ヌケオチ

わかりました……

 

イシカワ主任
イシカワ主任

スキリさん、記事の複製は、SNSへのの投稿だけでなく、社内での共有も著作権の侵害になる可能性があるのですね?

スキリ
スキリ

はい、その可能性はあります。著作権の例外としての『引用』や『私的利用』などであれば問題ありませんが、今回の投稿は『当社が新聞で紹介されました。』とだけ書いて記事の画像を投稿しています。これでは引用にはなりません。それに、社内での共有は外部の人には見られないとはいえ、私的な利用とはいえないので、いずれも複製権や公衆送信権の侵害になり得ると思いますね。

ヌケオチ
ヌケオチ

では、どうすればよかったのですか?権利を侵害するつもりなんて、これっぽっちもなかったのですが……。今後のためにも教えてください。

スキリ
スキリ

そうですね、まずはどういう行為が著作権の侵害になり得るのか、正しく知ることです。そのうえで、もし記事をSNSなどで紹介したいなら、複製画像を使うのではなく、新聞社のWebサイトや記事のWeb版、公式SNS投稿などへのリンクを貼るようにしたほうがいいですね。複製画像を使うのなら、紹介された当社プロジェクトの説明やヌケオチさんの考えなどをメインとした投稿文を作成し、そのうえで、このプロジェクトが新聞にも紹介されました、として、新聞社名・発行日などの出典を明記して記事の一部のみの画像を小さく添付する、という利用であれば、引用として認められると思います。

スキリ
スキリ

ヌケオチさんが今回したことは、例えるなら『自分が描かれた絵だからといって、画家の許可なく美術館から絵を持ち出して、勝手に街中に飾るようなもの』です。絵のモデルが自分であっても、著作権は絵を描いた画家にあります。自分に関係する内容だからといって、絵を自由に複製したり使ったりしていいわけではありません。

イシカワ主任
イシカワ主任

なるほど。ヌケオチさん以外にも、著作権を正しく理解していない社員はいるかもしれませんね。会社としてやっておくべき対策はありますか?今度の会議で社長に提案してみます。

スキリ
スキリ

そうですね。SNSなどへの投稿ルールの整備と社員教育の実施は必要かもしれません。今回のように意図せず、または勘違いして権利を侵害してしまう社員はいるかもしれません。どういうことが禁止されるのかを周知することが大切です。新聞記事の場合、新聞社によっては、申請して使用料を支払えば、記事画像の利用が認められる場合もあるので、画像などの利用時には利用規約などを事前に確認することも必要ですね。実は私、著作権についての社員教育研修を担当したこともありましてね……。だいぶ昔のことですが。


その後すぐに記事の複製画像はSNSと社内サーバーから削除され、後日、新聞社には正式に謝罪した。幸い、悪質性は低いと判断され、大事には至らなかった。

また、××株式会社では、臨時の幹部会議が開かれ、「新聞・テレビなどの報道内容を利用する場合を含めたSNSや社内共有サーバー利用のルール明確化」「広報担当への著作権研修の実施」「許諾の取得が必要なケースの事前相談体制の整備」が決定した。

スキリがイシカワ主任に提案したことがほぼそのまま採用されたことで、ヌケオチはスキリがただ者ではないことに気付くのであった。

 

  • 新聞記事や番組映像は著作物! 自分や自社に関する内容でも自由に使っていいものではありません。記事や番組映像の著作者は制作者(新聞社、出版社、テレビ局)です。
  • SNS投稿や社内共有にも注意!  SNSなどインターネット上に記事の複製画像を公開するのはもちろん、社内イントラでの複製画像共有も“公衆送信”とみなされる場合があり、著作者の許可なく画像データを共有することはできません。「リンクを貼る」「概要だけ紹介」「著作権者に許可を取る」など、工夫と確認が不可欠です。
  • 利用ルールを定めて社員研修で周知!  自社が紹介された場合も含めて、新聞などの記事を複製して利用する場合のルールを定めて、社員研修などで周知しましょう。

 

この後、スキリに次なるトラブルが待ち受けているのですが、それはまた別のお話で……

 


初の試みでしたがいかがでしたでしょうか?

まぁ、ツッコミどころは多々あると思いますが、今後ももしかしたら続編をAIさんに協力してもらいつつ書くかもしれません。

ということで、「清掃員スキリの事件簿」のテーマソングは、80s-90sのUKシャレオツバンド、Marden Hillのサーフ系(スパイ映画系?)インスト「Bacchus Is Back」(フリッパーズギターの「Cool Spy On a Hot Car」の元ネタとしても有名ですね)がいいかな、なんて妄想してみたりしつつ、本日はこの辺で。

(ちなみに、これまでは「マルワのシャドーサイドあれこれ担当」と名乗っていましたが、これもAIに校閲してもらったところ、『ユーモアとくだけた感じはありますが、ダークな(よからぬ)イメージをもたれる可能性もあるので、使用には注意したほうがいいですよ』と言われてしまったので「裏方あれこれ担当」に変えてみました。)

タイトルとURLをコピーしました