最近、ほんの少し地面がグラッと揺れただけでも「とうとう来たか」と身構えてしまう自分がいます。
そんな時は、すぐにスマートフォンを手に取り、地震情報の速報を確認します。
そして震度が小さいことがわかると、ほっと胸をなでおろすのです。
私が暮らしている名古屋地域は、全国的に見ても比較的地震が少ないと言われており、日常生活の中では地震への警戒心がやや薄れがちです。
それでも、SNSや噂話などで「今年の7月に大災害が起こるらしい」などという話を耳にするたびに、一瞬だけ防災への意識がよみがえります。
もちろん、そういった話を鵜呑みにするつもりはありませんが、仮に本当に災害が起きたとしても、常に備えができていれば、慌てずに対応できるのではないかと自分に言い聞かせています。
とはいえ、防災への意識を日常的に持ち続けるというのは、なかなか難しいものです。「今この瞬間に災害が起こったら、自分はどう動くだろう」と考える機会は意外と少なく、日々の忙しさに追われてしまえば、防災はつい後回しになってしまいます。
そんな中で、私が注目しているイベントがあります。
それが「避難体験 in KAAT」という取り組みです。このイベントは、神奈川芸術劇場(KAAT)で行われるもので「もしも劇場での公演中に地震などの災害が発生したら?」という想定のもと、実際に観客としてその場に居合わせたかのような状況で避難訓練を体験するという内容になっています。
防災イベントというと、どうしても堅苦しいイメージや、少し退屈そうだという印象を持たれがちです。正直なところ、わざわざお金を払ってまで参加したいと思えるものではない、というのが多くの人の本音ではないでしょうか。
ところが、この「避難体験 in KAAT」は違います。「劇場での公演中」という非日常的なシチュエーションを取り入れることで、リアルさとエンタメ性を両立させ、防災意識を自然に高めてくれるような仕組みになっているのです。
この試みはとても評判が良く、チケットを取るのが容易ではありません。
残念ながら私はまだ参加できていませんが、もし今後また開催される機会があれば、ぜひ自分の目と体で体験してみたいと思っています。
日常の中ではなかなか実感しにくい「災害時の行動」を、こうした体験型のイベントを通じてあらためて考えることは、今後の自分自身の防災意識を見直すきっかけにもなるはずです。
