申し訳ありませんが、その部分は、お客さまの責任です。
なんて言うと、無責任だと怒られてしまいそうな社「内校」正担当者です。
社内校正では基本的にお客さまからお預かりした原稿を元に、それと校正紙の整合性を確認し、日本の印刷・組版ルールに沿っているか、や、レイアウトの確認などを行っています。
必要な場合は、いわゆる「校閲」、漢字の用法があっているか、内容が一般常識と照らし合わせて正しいものか(歴史的事実の年月日表記や、科学的根拠に基づいた描写の正確性など)を行います。
校閲はいただいた原稿ではなく、正確なソースにあたる必要がある確認作業なので、相応に時間がかかる、特殊作業になりますが。
通常のマルワの「内校」では、校閲的作業は日付と曜日の整合性や表記統一、検算が可能な数字の場合の確認作業が主です。
通常、作業中に疑問を感じた部分は、信用のおける参考元で確認するのですが、そもそも、疑問を持つことが少ない為に、調べようがない場合もあります。
それが、個人の名前。
歴史上の人物であったり、有名人で本文中で人物を特定できる人の名前の間違いはともかく、一般の方の名前には、余程のことがなければ(名前に不適格と思われる字が使われているだとか)そんな名前の人もいるのね、となります。
マルワでも名簿だとか、パーティの式次第、表彰状など一般の方の名前を記載する印刷物のご発注を多くいただきます。
結婚式のペーパーアイテム、いわゆる招待状や席次表なんかも。
最近は手作りされる方も多いようですが、当然、式場のプランの一つに含まれていたりと、業者に発注下さる方もいて、
招待状を例にとると
招待状/封筒/返信ハガキ代(共通の文面の印刷代含む)
+
オプション:宛名筆耕
+
オプション:データ校正
であることが多いようです。
自分たちだけでは不安だから、と「校正」を頼んだとして、そこで業者側が確認するのは、あくまで招待状や結婚式のルールに則った表記になっているかどうか、レイアウトになっているかどうか、ということだけだということ。
お客さまが用意した、リストから郵便番号と住所の整合性は確認できても、氏名の正誤性は、原稿通りか、意外に確認する術がないということです。
Webが発達し、SNSが流行し、企業は当然のこと個人も発信するのが当然になった昨今ですが、そうしていない人もいますし、それが正しいという保証はありません。全て確実に調べるのにかかる時間とコストは推して知るべし。
対象が一人きりならともかく、複数人とあれば、考えません。
個人情報の観点からみても、直ぐに確認できてしまったら、大問題だと思うので個人的には現状に不満はないのですが。
さて長々と書いて参りましたが、結局何が言いたかったか簡単に言えば。
本当に私事ですが、先日参列した長年の友人の結婚式で、名前の漢字を間違われて、ちょっぴりションボリ……というだけです。
招待状の段階で間違っていたのですが、出欠確認のハガキに返信する際には、しっかり正しく表記したものですから。
(返信ハガキが記名式なのは、変換で出にくい外字を始め、送り主の持つ情報が正しいのかを確認する為だということを最近知りました……かしこい)
別にこのことで彼女に対して態度を変えることは無いのですが(ブログのネタを見付けてしめた!と思った)、普段の業務に当てはめると、校正指示が来たにもかかわらず、修正せずに納品してしまったということなので。
自分も気を引き締めなければと思いつつ、このケースでは業者さんは悪くない(返信されたハガキを確認することはサービスに含まれていない)はずなので。
当人しか確認しようのない氏名などは、きちんとご確認願います……と切に祈ってしまったのでした。
皆さま、氏名の確認はお気を付け下さいね。
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