SNS発信による炎上の防止策や注意点

少し前に某アーティストの公開したMVの内容(表現)が不適切であるとして炎上してしまったことは記憶に新しいと思います。MVのようなコンテンツ以外でも、SNSや動画サイトへの投稿から炎上状態になってしまった……というニュースも珍しくありません。

そんなのは有名人や大企業に限った話でしょ?と思われるかもしれませんが、一般人や中小企業等であっても(影響力や話題性は少なかったとしても)、ネットを中心とした炎上(批判の拡散)は、社会的な信用の低下に直結する(経営に影響する)、看過できないリスクとなっています

 

どうも、マルワのシャドーサイドあれこれ担当です。

今回は企業(組織)がSNSや動画配信などを活用して情報を発信する際に、炎上をできる限り起こさないための対策や注意点について、素人なりに調べてまとめてみた、という内容になります。

 


なぜ炎上が起きるのか?

企業(組織)がSNSなどで「炎上」してしまう主な原因には、次のようなことがあります。

  • 企業の公式アカウントからの投稿(コンテンツ)に不適切な内容が含まれていた
  • ネット外での企業の提供する商品やサービス、広告、従業員の不適切な対応などについて、SNSに批判的な投稿が拡散された
  • ネット上やネット外での不祥事、事件・事故がSNS上で拡散された

 

また、いずれの場合も、

  • 最初は一部(少数)から批判的な投稿が公開される
  • 批判投稿がSNS上で拡散される(インフルエンサー的な影響力のある人に取り上げられる)
  • 別のSNSなどでも情報が拡散される
  • テレビや大手ネットメディアなどでも取り上げられる

といった感じに情報が広がっていき、多くの人が知ることになってしまい、経営に甚大な(多方面に)影響が及ぶおそれもでてきます。

  

不適切な投稿がなぜ起きるのか?

炎上の原因のひとつ、「企業アカウントからの投稿に不適切な内容が含まれていた」が起きてしまう主な原因は次の2つです。

①そもそも不適切な内容が含まれていることに気付いていない

投稿担当者の個人的な価値観や主観のみで投稿を作成・投稿してしまう、または公開前の検閲が不十分であると、不適切な内容が含まれていることに気付けないまま公開されてしまうおそれがあります。

「気付いていない」への対策として、

  • 投稿担当者や検査担当者へのSNSやネットリテラシー、モラル等についての教育の実施
  • 企業のSNS利用手順のマニュアル化
  • 公開前の第三者チェックの確実な実施

などがあります。

個人の価値観や経験則も個性という点では大切ですが、一方で客観的に内容を精査するため、また、担当者が変わっても一定の基準を満たせるために、「投稿していい内容/ダメな内容」「使ってはいけない表現(ことば)」「投稿前の確認ポイント」「確認・承認手順」などを教育などで周知しつつ、マニュアル化(社内ルールとして規定)しておきましょう。 

「使ってはいけない表現」については、言葉の意味や利用の善し悪し基準は時代と共に変化するので、常に世の中の動向を確認し、認識をアップデートしていく必要があります。

また、「投稿前の確認ポイント」については、例えば、以下のようなことを必ず確認することをルールとするなど、確実にチェックできるようにしておきましょう。

真実とは異なる情報ではないか(フェイクニュースや紛らわしい情報の拡散になっていないか)
他者の権利の侵害ではないか(プライバシーの侵害、著作権や商標権の侵害になり得る写真や情報が含まれていないか)
他者を不快にする表現が含まれていないか(一般的に不適切とされる表現や写真が含まれていないか、特に人種、宗教、政治、ジェンダーなどの繊細な事項についての間違った認識や誤解を招く表現がないか)
他者への攻撃的な言動が含まれていないか(過度な批判、誹謗中傷になっていないか)
※上記はあくまでも一例です。

 

②気にはなったが「見て見ないフリ」をした(不要な忖度)

もうひとつ、案外組織の中で起きてしまいがちな原因として、「気になった(なんとなくマズいと気付いた)が、諸々の理由からスルーしてしまった」という場合もあります。

例えば、

  • 先輩(上司)が投稿担当者であり、後輩(部下)の自分が「これはちょっとマズいかも」と思っても指摘できない場合
  • 「せっかくここまで作った動画だから、今さら修正する時間がない」とか、「あまり細かくダメだしすると面倒な奴だと思われてしまうかも」といった理由で、せっかく投稿前に第三者チェックを行っていてもスルーしてしまう場合
  • 自分が担当しているわけではないので、「これいいの?」とは思うが敢えて指摘もしない場合

などです。

本来、様々な価値観を持つ人がそれぞれの立場で投稿を目にする可能性があることを「想像」して投稿を見てくれる人たちに「忖度する(推し量る)」べきですが、投稿担当者や上司などに忖度してしまう、または、そもそも無関心、ということからこのような「見て見ぬフリ」が生じてしまうことがあります。 

どうしても立場や人間関係的に「言えない……」となってしまうことがあるかもしれないので、やはり「チェック担当者(検査部門)」という役割を明確にしておき、あくまでも役割(仕事)として指摘できるような体制を整備することが重要といえます。

  

批判・苦情への対応は担当者任せにしない

SNSなどの投稿が原因の場合でも、ネット外の不祥事などが原因の場合でも、万が一炎上してしまった場合には、できるだけ自社への負の影響を低減するために、速やか、かつ適切な対応が必須になります。

万が一ここでの対応を誤ってしまうと、さらに炎上が拡大し、自社への負の影響も大きくなってしまうことがあります。

対応を誤らないためには、次のようなことを認識し、対策を講じておく必要があります。

  • 炎上リスクを過小評価しない
  • 自社投稿へのコメントや批判を適宜チェックする(炎上の早期発見)
  • 問題となった投稿をすぐに(何も言わずに)削除しない
  • 謝罪やお詫びの出し方、タイミングなどの決定は組織として行う(担当者任せにしない)
  • 批判などに感情的に反論しない(火に油を注ぐような発言はしない)
  • 事実無根の批判やこちらの非が明らかではない場合などでは事実関係が明確になるまでは「調査中です(わかり次第お知らせします)」「お騒がせして申し訳ありません」などのコメントや投稿を行いつつ、きちんと調査を行い、結果が分かり次第丁寧に経緯などを説明する投稿を行う(誠意ある対応を心掛ける)

※ スピーディーな対応は大切ですが、問題とされた投稿をこっそり削除するような行為は「隠ぺい」とも捉えられて、かえって批判が大きくなるリスクがあります。不快な思いをされた方や迷惑をかけた方への謝罪を投稿し、当該投稿を削除することを公表したうえで削除する、再発防止に取り組む姿勢を表す、などの対応が必要になります。

炎上後の対策についても、社内でマニュアル(ルール)化しておき、報告体制や対応実施フローなどを社内で共有しておくとよいです。

炎上や批判への対応は、担当者に丸投げしないで組織として対応することが何よりも重要です。

SNS炎上を過小評価し、担当者に任せておけばよい、と判断してしまうことは避けましょう。

 


企業(組織)がSNSやブログ、動画投稿などを使って情報を発信することには、お客さまや取引先と直接コミュニケーションがとれたり、自社の活動や商品(サービス)を知ってもらう機会を増やすことができたり、といったメリットがあります。

一方で、炎上(批判)が発生するリスクもある、ということを認識し、適切な発信を心掛けるようにしましょう。

その投稿をどのような人がどのように受け取るか、「想像」し、「忖度する」こと。それが不適切な投稿をしない(炎上を起こさない)ためにはとても重要です

 

という感じで本日はこの辺で。

本日の脳内DJのパワープッシュは、すでに解散していますが、日本のスーパーアーティストの集合体、METAFIVEの “The Paramedics”です!

paramedic=救急隊員

炎上が起きた場合も、ひとりで火消しをするのではなく、救急隊(社内の責任者など)を要請して、適切に対処し、被害拡大を防止しましょう(もちろん、炎上が起きないよう、内容をよく確認し、配慮して発信することがなによりも大切です)。 

本日はこの辺で。

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