「等」「など」の使い分けを解説|間違いやすい例と校正ポイント

文書を書いていると、「リンゴ、バナナ等」「リンゴやバナナなど」といった表現を、何となく使っていませんか?
意味は似ているのに、使い方を間違えると文章が不自然になってしまう——。
「等」と「など」は、そんな迷いやすい日本語表現の一つです。
この記事では、「等」と「など」の基本的な違いや、よくある間違い例を校正の視点でのチェックポイントを整理してみました。

「等(とう)」の使い方と特徴
「等」は、書き言葉寄りで、やや硬い印象を持つ表現です。
【特徴】
・公的文書・説明文・ビジネス文書でよく使われる
・並べたものが代表例であることを示す
・文章を引き締める効果がある
【例文】
・必要書類:運転免許証、健康保険証等
・台風により、強風や大雨等の影響が予想されます
・文房具(ペン、ノート等)を持参してください

「など」の使い方と特徴
「など」は、話し言葉や柔らかい文章に向いている表現です。
【特徴】
・会話文やブログ、コラムで使いやすい
・例示の幅が広く、やや曖昧さを含む
・親しみやすい印象を与える
【例文】
・リンゴやバナナなどの果物
・休日は映画を見たり、散歩したりなどしています
・ストレスの原因には、仕事や人間関係などがあります
「これ以外にもいろいろあります」という、余白を残した言い方になります。

間違いやすい「等」と「など」の使い方
ここからは、実際によく見かける間違いと、その直し方を紹介します。
❌ 話し言葉で「等」を使ってしまう
(間違い例)
休日は映画を見たり、買い物をしたり等しています。
(正しい例)
休日は映画を見たり、買い物をしたりなどしています。
➡ 日常的な話題では「等」は硬すぎる印象になります。

❌ 説明文で「など」を使ってしまう
(間違い例)
持ち物:筆記用具、ノートなど
(正しい例)
持ち物:筆記用具、ノート等
➡ 案内文や注意書きでは「等」のほうが適切です。

❌ 「など」を多用しすぎる
(間違い例)
仕事などで疲れたときは、音楽などを聞いて、散歩などをします。
(改善例)
仕事で疲れたときは、音楽を聞いたり散歩をしたりします。
➡ 便利な言葉ですが、使いすぎると文章がくどくなります。

❌ 「等」を一つだけの例に使う
(間違い例)
必要書類は身分証明書等です。
(正しい例)
必要書類は身分証明書(運転免許証、健康保険証等)です。
➡ 「等」は、複数の具体例を挙げたときに使うのが基本です。

❌ 並べるものの種類がそろっていない
(間違い例)
リンゴ、机、走ることなど
(正しい例)
リンゴやバナナなどの果物
読書や運動などの趣味
➡ 同じカテゴリのものを並べると、意味が伝わりやすくなります。

校正視点でチェック!「等」と「など」確認リスト
文章を書き終えたら、次のポイントを確認してみましょう。
✅ 文体に合っているか
 ブログ・体験談 → など
 説明文・案内文 → 等
✅ 使いすぎていないか
 一文に何度も出てきていないか
 省いても意味が通じないか
✅ 「等」を使うだけの具体例があるか
 2つ以上の例が挙げられているか
 読み手が内容を想像できるか
✅ 並べているものの種類はそろっているか
 名詞と動詞が混ざっていないか
 同じ分類のものか
✅ 省略しすぎていないか
 「など」「等」に頼りすぎて、内容がぼんやりしていないか

まとめ:迷ったら「文章の目的」で選ぶ
「等」と「など」は小さな違いですが、文章の印象を大きく左右します。
・きちんと説明したい、公式感を出したい → 等
・読みやすく、やわらかく伝えたい → など
と、文章の目的に合わせて選ぶことが大切です。

文章を書いたあとに、「この“等”“など”、本当に今の文章に合っているかな?」と一度立ち止まってみてください。 そのひと手間が、読み手にとって伝わりやすい文章につながると思います。

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