職場の常識、再点検 part.5 ~社員満足度とコンプライアンス調査~

あるある事例①お客様満足度調査を定期的に実施しているが、社員満足度は調査したことがない。

あるある事例②社員満足度調査を実施しているが、集計しただけで終わっている。

あるある事例③法令遵守なんて当たり前すぎて社内の状況を確認したことがない。

  

どうも、マルワのシャドーサイドあれこれ担当です。

「職場の常識、再点検シリーズ」第5弾は、近年重要視する企業が増加している「社員満足度&コンプラ」調査についての内容になります。

いつものように結論から書いてしまいますと、

社員満足度やコンプラの調査は社員にも会社にもメリット大!定期的に実施して自社の改善に役立てましょう!

という、当たり前のことになりますが、あるある事例①~③が当たり前化している場合に、ほんの少しでも活動のヒントになれたら幸いです。

毎度になりますが、本ブログ記載の事例などは、あくまで一般論であり、当社を含めた特定の企業に関するものではありません。誤解されませんようお願いいたします。

 


①社員満足度調査は社員と会社の意見交換の場

社員満足とは、次のようなことについて、あるいはこれらを総合的に判断して、社員が自分が働く会社に納得(共感)できるか、ということであり、それを数値化したものが社員満足度です。

1.会社の経営方針や理念
2.会社(上司)の人材マネジメント(指導・教育・評価)
3.担当業務の内容(自分にあっているか・やりがいがあるかなど)
4.給与・待遇(会社からの評価)
5.職場の人間関係
6.労働環境(安全・衛生面)
7.労働時間や休日、有給や休業の取得
8.福利厚生(業務外の行事の有無なども含む)
表①社員満足の要素

社員満足度を重視する企業が増えた理由としては、

  • 労働人口減少(労働力確保の重要度増)
  • SNSの普及(企業評価・企業批判が拡散される)
  • 企業の社会的責任の重要度増(SDGs、CSR、働き方改革など)

などがあると言われています。

当然、社員満足度が高いほど、社員の定着率が上がり(労働力が確保でき)、社員のモチベーションアップや生産性・品質の向上→お客様満足度アップ→企業評価アップとなるので、社員満足度を高めることは、会社にとってのメリットになります。

会社が社員満足度を高めることは、社員のストレスや不満の低減、特に、満足度調査の定期的な実施による継続的な環境改善が期待できるため、社員にとってもメリットがあります。

 

ということで、社員満足度調査は単に社員が会社を評価するということではなく、会社と社員が「一体となって会社をより良くしていくための意見交換の場」と考えるといいかと思います。

アンケート調査などを実施するのは面倒だ、とか、会社への不満なんて聞きたくない、とか、こんなこと書いたら怒られるのでは(身バレが不安で本音で答えたくない)、などと思わず、満足度調査を実施する&それに協力するようにしましょう。

  

②社員満足度調査の結果は環境改善のヒント集

社員満足度の調査方法はアンケート形式が一般的で、近年ではWEB上でアンケートを実施&集計するところが多いようです(弊社もWEBを使って実施しています)。

調査をする際には、事前に調査の目的を明確にしておくといいと思います(社員の定着率向上のため、業務改善のため、など)。

質問の選定が一番「肝」になり、難しいところではありますが、まずは上記「表①社員満足の要素」各項目について、できるだけ具体的な※1質問を設定し、不満の場合の理由も答えてもらうようにするといいと思います。

※1 例えば、「職場の人間関係は良好ですか?」→「はい」「いいえ」ではなく、「上司は、あなたが困っている時に適切にアドバイスやサポートをしてくれますか?」→「してくれる」「してくれるが迷惑そうに感じる」「してくれない」など

当然、調査の結果にはプラスの評価だけでなく、マイナスの評価も出てくるはずです

色々な価値観や生活スタイルを持つ人が集まるのが会社なので、「会社を批判するなんてけしからん!」ではなく、「こういう意見もあるのか」と受け止めるほうが正しいあり方だと思います。

 

社員満足度調査の結果には、自社の環境改善のヒントが含まれているはずです。

すべての意見に対応するわけにはいかないと思いますが、調査がきっかけとなって社員が抱いていた不安(不満)が解消された、となれば、社員の会社への信頼(満足)も増すでしょうし、社員が会社の姿勢を判断する材料にもなり得ます。

対応(改善)する/しないの判断基準は、シンプルに「数の多さ(多数意見)」でもいいですが、改善しなかった場合の自社への「潜在的な影響の大きさ」と「コンプライアンス(法令遵守)」という基準も必要です。

たとえ1人だけからの意見であっても、実は根深い問題であって、それを放置することが後々大きなダメージになることもあります。

また、「コンプライアンス」に反する(抵触する)ようなことで不満を感じている場合、企業としてはたとえ1人だけの意見であっても見過ごすわけにはいかないはずです。

  

③法令遵守は当たり前、だけど確認することも大切

コンプラ調査は、企業が社会的責任を果たしていることの「証明」にもなり得るため、社員満足度と併せ調査を実施する企業が増えているようです。

法令遵守というと大げさな感じがしなくもないですが、例えば次のような事項について、そんなこと社内でやってる人いるわけないよね?と確認することは、「抑止力」にもなりますし、万が一にも自社内でそのようなことが起きてしまっていた場合の適切な対処にも役立つはずです。

  • 不当な労働(サービス残業、過度な長時間労働など)
  • ハラスメント行為(パワハラ、セクハラなど)
  • 個人情報の不正利用(自社管理ルールへの違反を含む)
  • 不公正な取引(過度な値引き強要、企業秘密の漏えいなど)
  • 著作権など知的財産権の侵害
  • 労働衛生、労働安全管理違反 

調査の仕方は、社員満足度同様アンケートが主流で、できるだけ具体的に「こういう時にこんなことをした(された)ことはありませんか?」と聞く※3と実態を把握しやすい気がします。

また、何らかの問題が生じていた場合、事後どうなったのかまで確認できると尚良いと思います。

※3 例えば、「パワハラを受けたことがありますか?」→「はい」「いいえ」で終わるのでなく、「はいと回答した人はその時どのように対応しましたか?」→「会社の相談窓口に相談した」「先輩や同僚に相談した」「何もしなかった」→「その後パワハラはどうなりましたか?」→「受けなくなった」「今も受けている」など、個人を特定できない程度に詳しく確認することで、どこに問題があるのかを把握しやすくなります。

  

法令は守るのは当然、そんなことをわざわざ社員に確認する必要ナッシング!

その通りなのですが、法令の解釈を勘違いしていたり、「職場の常識」と法規制の間にズレが生じている場合もあります

念には念を、という意味でも、社員満足度調査といっしょに定期的に調査するといいと思います(弊社でも一定のコンプラ調査は社員満足度調査の中に含めて実施しています)。  

 


……毎度の長文駄文失礼しました。

そんなこんなを考えている私の脳内では、Billy Childish全面プロデュースのガールズ・ガレージバンド、Thee Headcoateesが気怠そうに歌う “You’re right, I’m wrong” がリプしております!

いつも本ブログを書いている時の脳内ソングは歌詞や曲目がブログの内容に多少リンクしているのですが、今回はその辺は無関係で、単にThee Headcoats( Billy Childish自身のバンド)とThee Headcoateesというスペル上の関係性がemployer(雇用主)とemployee(従業員)に似てるな……と、ただそれだけです(わかりにくっ!)。

 

ちなみに社員満足度は英語で略して「ES」と表記されることが多いですが、

「Employee Satisfaction」であり、「Employer Satisfaction」の略ではありません

ここを間違えてしまうと、適切な社員満足度調査ができなくなってしまう可能性があるのでご注意ください。

さらにちなんでしまうと、最近では「ES」に加えて「EH(Employee Happiness、社員幸福度)」を調査するところも増え、これからは幸福度がより重視されそうです。

なんだか散らかってきたので、本日はこの辺で……

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