ちょっと風邪気味なので……で、休みますか?休めますか?

少し前に某製薬会社の広告で「風邪でも休める社会に」的なキャッチコピーが使われていたことが一部で話題になりました。

数年前には(たしか別の製薬会社だったと思いますが)、「つらくても休めない人のために」的なキャッチコピーが使われていたこととは対照的ななフレーズですね。

 

どうも、マルワのシャドーサイドあれこれ担当です。

本日は、何かと忙しない中でも「無理することと頑張ることは違うので、やっぱり無理はしないように!」という感じの働き方改善2023な小話です。

 


さて、あなたは少しカラダがダルい……少し喉が痛い……といった、「ちょっと風邪気味」な状態になった場合に、「風邪っぽいので休みます」と安心して言えますか?または、部下(後輩)や同僚から「ちょっと風邪気味なので休みます」と言われて快く休ませてあげられますか?
 
風邪以外でも「ちょっと気分がすぐれないので」とか「ちょっとお腹が痛いので」とか……といった場合でもいいです。

現状の新型コロナ感染のように症状の軽重に関わらず法令や条例、就業規則等によって出勤が制限(または禁止)されている場合以外で、「ちょっとした体調不良」でも休める(休ませる)ことができるか否か……

これについては事業規模や業種、職場内での立場や役割、あるいはその時の状況によって異なってくると思います。

もちろん、原則としては風邪であろうがなかろうが、体調が悪ければ無理せず休むことであり、企業は休みたいという申請(=働くことができないという労働者からの申請)があれば、原則として休ませなくてはなりません。

因みに有給休暇の申請を企業側が拒否することや、有給申請の理由によって許可する/ しないを決めることは法令により禁止されています(申請時に理由を聞くのも厳密にはNGです)。事業上のやむを得ない事情により取得時期の変更をお願いする「時季変更権」は認められています。

とはいえ、「ちょっと咳が出る・体がダルい……くらいでは休めない」と思う人が多いと思いますし、「それくらいなら仕事してよ」と思ってしまう人も残念ながらいるのが現実なので、軽度の体調不良でも「休みたいです」とは言い出せない人が多いと思います(だからこそ冒頭のキャッチコピーが登場するわけです)。

しかし、ちょっとした「無理」、または本人的にもそこまで無理しているつもりもないような「軽めな無理」が後々重大な身体的な不調や病気に繋がるかもしれないし、「たかが風邪で」といった対応のせいで事業所内に感染症が蔓延する可能性もあること(それが原因で事業に多大な影響がでること)は新型コロナの蔓延で痛いほどわかったはずです。

やはり、「無理しない・無理はさせない」ことが大切です。

 


一方、「これくらいの体調不良なら問題ない、自分はやれます、というか、やりたいです!」という人もいると思います(他者から強制されるのではなく、自らやりたい、と思う人)。

そのような、ちょっと体調は悪いけど本人的にはやる気がある、という場合は許容範囲内において本人の意思を尊重することもある程度必要かもしれません。ここの締め付けがキツ過ぎると、本人のヤル気低下に繋がる可能性もあります。

※もちろん、職場内に感染症をまん延させないことを最優先させなければいけませんし、法令により就業制限が定められている感染症、またはその疑いがある場合は症状の軽重に関係なく休まないといけません。また、たとえ軽度の体調不良であっても絶対に休まないといけない(休ませないといけない)という職種や業種、立場等もあると思いますので、そのような場合はこの限りではありません。

 

これは昨今の残業時間問題にもいえることですよね。

働き方改革として、また、コスト削減のため、残業しない・させない、という風潮が強くなっていますし、それ自体はとてもいいことだと思いますが、中には、無償でもいいので残業したい、という特異な?人もいます。

そこを無理やり「もう帰りなさい」と言われ続けると、やはりヤル気低下に繋がる可能性もあります。

本人の意思を尊重することも大切ですが、かといって無理はさせてはいけない(&当然ですが法令遵守は最低条件)……

そのために、「〇〇度以上の発熱がある場合は出社(勤務)を禁ずる」とか、「〇時以降の残業は禁止する」といった数値的な線引きを規定して、逆に規定以内であれば本人が望むのであれば仕事をしても差し支えない、というようにしている企業が多いと思います(繰り返しますが法令遵守は最低条件です)。

た・だ・し、ここで最も重要なのは、「本人が望んでいることか」ということに加えて、「本人が望まざるを得ない環境なのか自由意志による選択の結果としての希望なのか」ということです。

本人がやりますと言っている(または休みたいと言っていない)から意思を尊重して仕事してもらっている、というのは一見何も問題ないように見えますが、それが本当に本人の心からの希望なのか、はたまた、ちょっと体調が悪くても仕事しないといけない状況(代わりにやってくれる人がいない・捌ききれないほど大量に仕事が割り振られている・無理することが当然という企業風土等)のせいで「仕方なく」やりますと言っている(または休みたいと言えない)のか……

実際には「仕方なく」というケースであることの方がが多いのではないかと思いますし、そのような「社員が多少無理をしないと仕事が回らない状況」が当たり前になってしまっているのであれば、それを変えていかなければいけないのはSDGs的にもCSR的にも明白ですね。

もうひとつ、少しくらいの体調不良で会社を休んだらみんなに迷惑がかかる、と思う人は多いですが、少しくらいの体調不良で会社を休まないことがみんなの迷惑になる場合もある、ということは忘れないようにしましょう(チームスポーツの試合で体調不良なのに無理して試合に出た選手がいた場合、その選手の動きが悪いことが原因で試合に負けてしまうこともあります)。

 


……という感じのなんともまとまりのない小話になってしまいましたが、1年のうちでいちばん寒い時期でもあり、何かと体調を崩しやすい時期でもありますから、みなさま、どうか無理と無茶は絶対にしない・させないようにしましょうね。

 

という感じの私の脳内DJの本日の選曲は、イギリスはブリストルの伝説的インディーレベル“Sarah Records”の看板バンドのひとつ、brighterの名曲中の名曲 “killjoy” です(ドイツのインディーPOP職人、Spacekellyがカバーしたバージョンも最高でしたね)!

killjoy=場をしらけさす人、興さまし

なんとなく、今回の小話の内容はまさにkilljoyのような、「やる気」ある人からしたら、こういうことを言うヒトがいるとしらけますねん的な内容かもしれません。

これから年度末にかけて(または年度初めにかけて)、なにかと忙しいという人(職場)は多いと思いますが、そんな時に「気合で乗り切るぞぉ!」は無理の温床&何にも体制や対策ができないことへの言い訳的プロパガンダなだけなので、避けるべきです。

やる気があればあるほど、やはり「無理しない・無理はさせない」が大切ですよね。

というわけで、どうか健やかな日々をお過ごしください……

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