クイズです。
【問題】フランツ・カフカの中編小説「変身」で、ある朝、目覚めると主人公の青年グレーゴル・ザムザは、何に変わっていた?
教科書に載っているわけでもないのに、何となく知っているカフカの「変身」
そのくせ不条理な設定で、読んでもよくわからないカフカの「変身」
みなさまの中にも読まれたことがある方も いらっしゃると思います。
冒頭のクイズ、カフカの「変身」を知っている方は、どんな答えを出されたでしょうか?
毒虫
害虫
大きな虫
どれも正解です。
クイズの答えに振り幅があるのは、いかがなものかと思いますので
答えが1つになるような問題にするなら、こうなります。
【問題】フランツ・カフカの中編小説「変身」で、ある朝、目覚めると主人公の青年グレーゴル・ザムザは、何に変わっていたかドイツ語で答えよ。
答え.Ungeziefer
そう上記の答えが3つになってしまった原因は「変身」を日本語に翻訳したときに翻訳者によってUngezieferの訳が異なるからです。
元々Ungezieferは「鳥や小動物なども含む有害生物全般」意味する単語ですが、「ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な鳥や小動物なども含む有害生物全般に変ってしまっているのに気づいた。」と物語の中で使用するには、テンポが悪い。
はじめて翻訳されたのが、有害である、無益であることを盛り込んだ意味で「毒虫」と訳されたこともあり、「毒虫」という認識が広まりました。
そんな中、今週 販売された川島隆さん訳の「変身」ではUngezieferを「虫けら」と訳しています。
有害なもの、無益なものとして「虫けら」と訳されたのは、発明的だと一部で話題になっています。
外国語は、使っている国の文化を含めて知っていないと受け取り方が変わってくることがあります。
我々が、日々使っている日本語でも、人それぞれ、持っているイメージは違うことがあります。
例えば辞書に載っている「幸せ」という意味を知っていても、普段、僕が思っている「幸せ」と、隣りで働いている同僚が思っている「幸せ」では全く違う。
このとき違うことは、あまり問題ではなくて、「違うということを知っているか」の方が大事。
もっというと「人によって、言葉の意味は違うということを知った上で、相手はどのように考えているかを知ろうとすること」が、より大事だと思っています。
その確認は普段のコミュニケーションで知ることができます。
もうすぐ春です。新入社員が入社する会社もあることでしょう。
新入社員にも通じる言葉で教える。
新入社員との言葉の意味の疎通をはかることは、先輩社員がやらないといけないことです。
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