キャッチしやすい「文」章、を考える

日頃からお客さま毎の様々な印刷物、あるいは情報媒体の制作に携わります。
私の主な業務は内校……社内「校正※」、内容を確認しているのでどんなお客さまの、何を目的とした案件かを把握した上で作業します。

※校正:とは、記事の制作過程において、現在の原稿と1つ前の原稿を比較し、誤りを見つける作業のこと。また、誤字や脱字、衍字などの誤りを見つける作業のこと。

(実用日本語表現辞典より)

マルワのお客さまの幅は行政から学校、一般企業さままで幅広いので、当然、制作物の目的・対象も様々です。

そんな中で、子ども向けの啓発活動を目的としたものでは、漢字/ひらがなの選択であったり、ルビ(ふりがな)を付けたりという作業が発生します。
勿論、読み方さえ分かれば良いというはずもなく、時には平易な言葉/表現への置き換えなどを編集・制作の工程で行っていきます。
最近は、マルワでも独自の啓発教材を制作していますので、「原稿を考える」必要も多くなりました。

語自体の難易度はともかくとして、できるだけ分かりやすくするためには

・1文の長さ

・句読点の位置

がとても重要だと言います。

特に子ども(幼児)向けだと文の長さ(文節数)は研究に基づいた目安なんかもあります。
1ページの挿絵に対して、1歳前後なら1~3文節程度
2歳前後なら4~8文節、なんていう風に絵本を選ぶ基準として絵本の出版社を始め様々なところで紹介されています。

(参考:ちびむすドリルhttps://happylilac.net/ehon-erabikata-point1-ehondemiru.html

文節数を減らそうとすれば、自然修飾が減って必要な要素のみにする必要が出てきます。

そして何よりチラシやポスター、リーフレットなどの「パッと目に付く」媒体の場合、一目見た瞬間に目に入った/読み取れた要素だけで認識が完結してしまいがちだということを考えれば、伝えたい「絶対」がある場合は、子ども向けでない場合でも文節数を減らすことを検討してみるのは悪くないように思います。
(インパクト強めに付けられたネットニュースのタイトルが印象に残り、実際の記事まで開いてじっくり読まない、などが起こりがちです)

なんて書いているこの文章が長いので、世話ないんですが。

逆に公官庁の発表文・掲示物でやたらと回りくどく記述してあるものを時々みかけます。
なんだこれ!?と思いがちですが、それもテクニックのひとつだそうです。
結論を先に、端的に表示してしまうと、読んで欲しい本題に付随する情報を読み飛ばされてしまう。
それを一文の中に全て入れ込むことで防いでいるのだとか。
きちんと全部読まないと、結論が分かりませんので。

伝わる文を書く、とは本当に奥が深い……勉強します。

最後に日頃、内校者として「よく見る」面白くなっちゃったポイントをご紹介します。

勢いに乗って、パッションを込めて作文されている(と思しき)場合、
あるいは何度も確認して、語句を修正している時にありがちなのが、
「ひとつの文章中に主語だと考えられるものが複数でてきてしまっている」
「ひとつの文章中に同じ動詞が2回出てくる」
「表現を修正した結果、意図せず同じ内容の文章が続く」などです。

これは文章全体を通して読む(黙読/音読)、修正したら前後の文と合わせて読み直せば大丈夫です。

他人事ではないので私自身、今後も気を付けます。

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