倍返しから恩返し

平成最高の視聴率をたたき出したお化けドラマ「半沢直樹」。待望の続編が絶賛放送中ですね。諸般の事情で7年も待たされた挙句、新型コロナの影響で1クールほど延期になり、じらしにじらされた視聴者の心を鷲掴みにしているようです。実際に通常の視聴率や新しい指標のタイムシフト視聴率でも空前の数字を連発して、平成に続き令和もナンバーワンドラマの称号を得るのは確実な勢いです。

ドラマ未見の人でも知っているキラーワードが「倍返し」でした。理不尽な妨害や不正に立ち向かう主人公が、悪い奴らに倍返しできっちりお返ししてくれる様は痛快で、多くの人を熱狂させました。
それから7年が経ち、新しい生活様式の時代には❝目を歯には歯を”といった価値観が受け入られるのだろうか、という疑問がありました。物語のプロットは前作と同じく勧善懲悪スタイルですし、実際「倍返し」というセリフも出てきます。

しかし、それ以上に印象深かったのが第一話から飛び出した「恩返し」というキーワードです。

 

倍返し・・・「やられたらやり返す、倍返しだ!」 

恩返し・・・「施されたら施し返す、恩返しです」 

 

これは確信犯!言葉の響きもお返しすることも似ているけど、時代の変化に合わせに来ている。(恩返しは前作の悪役、大和田常務のセリフですが半沢も同じ意図の言葉を部下に投げかけている)

新型コロナ禍で多くの事業者が疲弊しています。自分の好きなお店や施設が無くなったら、結局は自分が困りますよね。そんな背景でクラウドファンディングなどが人気です。施しなんて言うと大仰ですけど、支援や応援する側は過度な見返りは求めずに、受ける側はまさしく“倍返しで恩返し”をする。自国第一主義に進みつつあったところにポストコロナがストップをかける。そんな社会の変化に半沢直樹第2シーズンが寄り添っている。と、無理やりこじつけて結びたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました