目指すもの

DTPオペレーターとして文字を中心とした端物(挨拶状や帳票類など)や冊子、会報などを担当しています。デザインはできません。

印刷業界に身を置いてかれこれ数十年。ベテランと言われはしますが、実は私が文字組を先輩から教えてもらったのは、新卒で入社した社員数50人程の印刷会社での1年間のみです。その会社を特に理由もなく1年ちょっとで退職し、次にお世話になった会社は社員数名の会社。制作の先輩という社員がいなかったので、たった1年の組版知識しか持たない私の文字組のお手本は、アナログ時代の文字の職人さんのような方々が作った印刷物でした。
小さな会社だったので、いくつかの印刷会社さんから仕事をいただくことも多くありました。
仕事をいただく際につけていただいた見本は、冊子であれば余白や体裁、名刺であれば名前と住所のバランス、挨拶状でのルール、帳票類の罫線の使い方や罫線と文字との間隔等などが、印刷会社が違ってもほぼ同じように作られていたので、お手本としては最適だったと思います。
とはいえ、教わる人もいない独学のようなスキルが他社で通じるかどうかは別。その会社を退職し、マルワの社員になることが決まった際にもかなり不安がありました。
ところが入社してみると、私の心配は無用だったことが分かりました。なぜならマルワには私がお手本としていた文字組みがあったからです。
DTPの時代になって文字組版の品質が低下したといわれていましたが、文字を大切にしているマルワにはアナログの時代から培った文字組の文化が受け継がれていたんだと思います。
文字組は奥が深く、ネット上で時々見かける「日本語はひらがなやカタカタが漢字よりも小さいため並べると空いて見えるので本文でも最初から詰めましょう!」で読みやすく伝わりやすいものが出来るとは限りません。なので、私もまだまだ未熟だなあと思うことがよくあります。
いつか誰かがお手本にしてくれるような文字組が出来るように努力したいと思っています。

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