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ポスターや写真、チラシなどの印刷物を長い間飾っていると、色が薄くなったり、全体の色合いが変わったりすることがあります。このような現象を「退色」または「色あせ」といいます。
今回は、印刷物が色あせる主な原因と、できるだけ長くきれいな状態を保つための方法を、できるだけわかりやすくご紹介してみようと思います(マルワは印刷会社なんですよ!)。
退色が起こる主な原因
1. 紫外線や可視光による色材の劣化
印刷物の色は、インキに含まれる顔料や染料などの色材によって作られています。色材が光のエネルギーを受けると、その分子構造などが少しずつ変化します。その結果、色が薄くなったり、別の色に変わって見えたりします。
紫外線は、色材や紙を劣化させる作用が強いため、印刷物の退色を早める原因になります。しかし、退色を起こす原因は紫外線だけではありません。私たちの目に見える日光や照明の光も、印刷物の退色を少しずつ進めます。
2. 熱や湿気、空気中の物質による影響
温度や湿度が高くなると、色材や用紙の劣化が早まることがあります。特に湿気の多い環境では、紙の変形やカビにも注意が必要です。
窓際や屋外の印刷物が色あせやすいのは、強い紫外線や可視光を受けることに加え、日射によって温度が上がりやすいためです。直射日光が当たる場所では、こうした複数の劣化要因が重なります。
3. インクの種類による差
印刷に使われる色材には、主に染料と顔料があります。一般に、顔料系インクは染料系インクよりも光や水に強い傾向がありますが、実際の耐久性は製品や印刷方法によって異なります。
屋外で長く使う印刷物には、耐光性や耐候性を考えて作られたインキや印刷方法を選ぶことが大切です。
4. 用紙や表面加工の影響
印刷物は、インキだけでなく紙そのものも変化します。時間がたつと紙が黄ばんだり、光や熱、湿気によって傷んだりすることがあります。紙が黄ばむと、インキがあまり退色していなくても、印刷物全体の色がくすんで見えます。
ラミネートなどの表面加工は、印刷物を水分、汚れ、こすれなどから守るのに役立ちます。ただし、すべての加工に紫外線を防ぐ効果があるわけではありません。退色を抑えたい場合は、「UVカット」や「紫外線吸収」などの性能があるかを確認することが大切です。
色によって「あせやすさ」は違う?
印刷物は、使われているインキや色材によって退色のしやすさが異なります。一般的なカラー印刷ではシアン(青)、マゼンタ(赤)、イエロー、ブラック(いわゆるCMYK)の4色を組み合わせます。
一般的には赤系や黄色系のほうが色あせしやすいと言われますが、インキの種類や印刷方法、掲示環境によっても変わります。一部の色だけが先に退色すると、印刷物全体の色合いが変わってしまいます。
美術館が薄暗いのも退色対策
美術館や博物館が薄暗いのは、作品を光による退色や劣化から守るためです。紫外線だけでなく、目に見える照明の光でも劣化は少しずつ進むため、照明を必要以上に明るくしない、光に当てる時間を短くする、自然光を避けるといった対策が行われています。
家庭でも、大切な写真やポスターは直射日光を避け、必要のないときは暗い場所に保管すると長持ちしやすくなります。
夏は退色が進みやすい?
夏は日差しが強く、紫外線も多いうえ、温度も上がりやすいため、退色や用紙の劣化が進みやすくなります。
ただし、退色は夏だけに起こるものではありません。季節にかかわらず、強い光に長時間さらされるほど色あせは進みます。
退色を抑えるためにできること
退色を完全に防ぐことはできませんが、次のような対策で進行を遅らせることができます。
- 直射日光を避ける、光に当たる時間を短くする:最も基本的で効果の高い対策です。飾る場所を窓際から離したり、必要のない時間は照明を消したりするだけでも、退色を抑えられます。
- UVカットガラスやフィルムを使う:UVカット機能のある額縁や窓用フィルムを使うと、印刷物に届く紫外線を減らせます。ただし、目に見える光による退色までは完全に防げないため、直射日光を避ける対策と組み合わせることが大切です。
- 保管方法を工夫する:普段は光の当たらない場所に保管し、飾るときだけ取り出す方法も効果的です。特に大切な写真や印刷物は、高温多湿を避けて保管しましょう。
- LED照明を使う:LED照明は、一般的に蛍光灯よりも紫外線が少ないため、紫外線による影響を抑えやすくなります。ただし、LEDの光でも退色は少しずつ進むため、必要以上に明るくせず、長時間照らし続けないことが大切です。
まとめ
夏は強い日差しや高温によって、印刷物の退色が進みやすい季節です。
色あせを完全に防ぐことは難しいですが、大切な写真やポスターを長くきれいに楽しむために、この夏から飾る場所や光の当たり方を見直してみてはいかがでしょうか。


