絞り込みと、誘導と

前回のブログも書きましたZINE制作キット「ZINE作郎さん」の話を今回も。

この制作キットの本文を書くうえで、最も時間を掛けたのが「何を書くか決める」という部分でした。

はじめに、この項目については
「ZINEを作りたいと思っている人は、すでに何を書くか決まっているのではないか。

つまり、『何を書くか決める』という項目は不要なのでは?」
という意見がありました。

確かに、それは正論だと思います。

それでも、あえてこのページに紙面を割いたのは、今回の制作キットのテーマが「独自なモノを作る」だったからです。

「何を書くかを決める」と書いてはいますが、本当に考えてもらいたかったのは、
「自分の中にあるものを、もっと深く掘り下げること」でした。

もちろん、「ZINEは必ず独自なものでなければならない」と思っているわけではありません。
ただ、多くのZINEを見ていると、作り手の独自な視点や個性が表れているものほど、強く印象に残り、輝いて見えるように感じます。

普段の生活の中では、どうしても無難なもの、失敗しないものを選びがちです。
だからこそZINEは、普段は表に出さない自分の一面を表現できる場であり、
「少し変わっていても受け入れられる」という体験ができる場でもあります。

その体験を、この制作キットを通して感じてもらえたらと思いました。

では、どのように「何を書くか」を考えてもらうか。

今回、「わたしの好きなこと見つけシート」を用意しました。

ただ「あなたが好きなものは何ですか?」と聞かれても、すぐに答えるのは意外と難しいものです。

恥ずかしかったり、
「こんなのは誰でも好きなことだ」と思ってしまったり、
「自分よりもっと好きな人がいるはずだ」と遠慮してしまったり。

好きなことはあるのに、言葉にするのは簡単ではありません。

一方で、

好きなおにぎりの具は?
好きな色は?
好きなファミレスは?
好きな薬味は?

といったように、細かく聞いていく方法もありますが、それでは質問が無限に増えてしまいます。

そこで、「その人らしさ」を引き出すための切り口として、はじめは次の6つを想定しました。

1 感覚・価値観
2 経験・物語性
3 行動・没頭
4 モノ・収集癖
5 知識・スキル
6 行動範囲・生活圏

しかし、6つは少し多すぎます。
5つに、そして4つに絞ることにしました。

この絞り込みを手伝ってくれたのがAIです。

まず、「6つの中から1つ削るならどれか?」と尋ねたところ、
答えは「モノ・収集癖」でした。

理由は、

・収集していない人も意外と多いこと
・「行動・没頭」の項目で代替できること
・モノそのものに意識が寄りすぎてしまうこと

でした。

さらにもう1つ削るなら、という問いには
「行動範囲・生活圏」という答えでした。

理由は、

・「場所」に縛られてしまう可能性があること
・他の質問から自然ににじみ出てくる情報でもあること
・ZINEのテーマは「場所」よりも「視点」が核になりやすいこと

でした。

こうして最終的に、次の4つに絞り込みました。

「感覚・価値観」(何に反応する人か)
「経験・物語性」(語れるストーリー)
「行動・没頭」(無意識に続けていること)
「知識・スキル」(人と関わる中で育まれたもの)

この4つの切り口だけでも、その人の「好き」や「らしさ」を、十分に見つけ出せるものになったと感じています。

もちろん、シートには
「あなたの価値観は何ですか?」
「あなたのスキルは何ですか?」
といった、難しい言葉は使っていません。

もっと答えやすく、自然に書き出せる言葉に置き換えています。

具体的にどんな質問になっているのかは——

ぜひ、こちらの通販ページでお確かめください。

ZINE制作キット「ZINE作郎(つくろう)さん」 | happygoods powered by BASE
ZINEをつくってみたいけど…どうやってつくればいいの?!という方に。このキットがあれば、誰でもカンタンにZINEがつくれる。印刷はコンビニ、製本はお手持ちの文具でOK!ZINE初心者用、材料丸ごとキットです。【内容】・「ZINE作郎さんZINE」1冊:アイデア出し~印刷まで、キットの使い方と合わせて丁寧に解説したZI...

タイトルとURLをコピーしました