昨日まで愛知県美術館において「第13回ポスターグランプリ受賞•入賞展」が開催されおり見てきました。
ポスターグランプリは愛知県・岐阜県・三重県・石川県・富山県印刷工業組合及び愛知県印刷協同組合が主催する印刷産業界とデザイン関連業界の更なる発展を目指したデザインコンペです。
2019年は「輪」2020年は「next」2021年は「縁」といったように、毎年 募集テーマがあり、2022年の今回のテーマは「カタチ」でした。
このブログで、何度か「アイデアの出し方」を書いてますので、今回は この「ポスターグランプリ・カタチ」を題材に、実際どんなふうにアイデアを考えていくか綴っていきます。
今回の「カタチ」と言うテーマは「輪」「next」「縁」などに比べて難しかった印象です。
例えば「縁」だったら「縁結び」「縁の下の力持ち」「縁起がいいもの」「赤い糸」などのキーワードが想像しやすいので,そこからヒントを得てアイデアを膨らませやすい。
それにくらべて「カタチ」は、想像できる具体的なキーワードが思いつきにくい。
それはデザインで表現する時点で「カタチ」を表現しているからだと思います。
具体的なキーワードが思いついても、アイデアが被りそうなのも懸念ポイントかと思います。
どうやら今回のキーポイントは「【カタチ】をどう表現するか」のようです。
この課題を解決してから、アイデアを考える方法を試してみます。
僕が導いた考え方は「A」だけで見せるのではなく「AとBの関係性」を【対比】や【変化】で見せるでした。
いくつかパターンを考えいきます。
A → B 変形して、違う形になる
(書類がシュレッターに掛けられ粉々に。 雲が違う形に見える)
A ≠ A 同じ形でも、違う形や違う意味をもつ
(同じ正方形の折り紙が、鶴や花などに折れる)
A = B 違う形でも、同じ形や同じ意味をもつ
(形が違うトマトも、味は同じ)
A=A 時間経過や外的な要因があっても、形は変わらない
(老いても愛の形は変わらない。象が乗っても形が変化しない筆箱)
A=a 同じ形や、同じ意味のモノのサイズが違う
(ミニカーと実車。相似形)
この5つのパターンと
A → B+C+D…、A =B=C=D… 複数にする
A → 、 → B 変化前、変化後を見せない
※元々、この見せない方法が難しいとい話でしたが、上記5つのパターンを踏まえて引き算するとビジュアル化しやすい。
この2つのバリエーションの組み合わせ。
聞けば「思いつきそう」だったり「ぼんやり頭の中にはあった」と出てきそうな考えです。
それを公式などで具体化しておいてからアイデアを考えて行くと、目に映る全てがアイデアの素に見えてきます。
例えば「カレー」
A → B 具材がカレーに変化する
A ≠ A レトルトカレーと手作りカレー
A = B カレーライスとカレーパン
A=A 30年経って野菜が食べやすく小さく切るようになっても奥さんの作るカレーは変わらない
A=a 子供用カレーと親用カレー
こんな感じで、いろんなモノを公式に当てはめていき、一番「これだ!」と思うものを選ぶのも、1つの手段です。
この方法だと、アイデアが被りにくいと言うメリットがあります。
デメリットは、アイデアの素が無数にあるので、全て試していくと決定までに時間が掛かる。
あとプラスαの隠し味として、以前のブログ(「傾向と対策」と、チャンスを掴むことと https://maruwastaff.wordpress.com/2021/02/02/%e3%80%8c%e5%82%be%e5%90%91%e3%81%a8%e5%af%be%e7%ad%96%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%80%81%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%82%92%e6%8e%b4%e3%82%80%e3%81%93%e3%81%a8%e3%81%a8/ )で、書いたことを再掲。
ドラマにもなった「元彼の遺言状」を書かれた新川帆立さんが「このミステリーがすごい!大賞」の大賞を狙うために作った傾向と対策の中で、「面白おかしく読んだだけだと心に残らない。読者が読んだ次の日から、世の中が違うように見えるように【物語の根底に現代的なテーマを入れる】ことが重要」と言われていました。
ポスターグランプリにおいては絶対に入れないといけないことはないのですが、そのあたりも盛り込むと入選しやすくなるかもしれません。
次回のポスターグランプリのテーマは、まだ発表されておりません。
何になるかは分かりませんが、テーマの難しいところ、みんなが悩むところを解決してから、制作に取り掛かるのも、入選しやすくなる1つの手段だと思います。
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