ユニフォームに込められた粋な計らい

開催の直前までに様々な問題が浮き彫りになったりと、一時はどうなることやらと思ったオリンピックも無事に終わり、次はパラリンピックの番ですね。

普段あまりスポーツ番組を観ない私も、この時期ばかりはテレビを付けっぱなしにして過ごしています。

オリンピックで特に印象深かったのが開会式。行進曲やピクトグラム等といった演出のアイデアが反響を呼んでいましたが、個人的には様々なユニフォームや衣装を着用する選手たちを一度に観られるのが面白かったです。

もしかすると、これも一種のパフォーマンスにあたるのかもしれません。

競技の場で着用していたユニフォームや、開会式や閉会式で着用していた衣装に着目してみると、実は何かしらのメッセージが込められていたりするのです。

例えば、日本の開会式用の衣装は、1964年の時のオマージュのような、日の丸の赤と白を基調としたセットアップでした。パラリンピックでも同じデザインが採用され、これは初の試みになるそうです。これには、今回のオリンピックのテーマの一つでもある「多様性と調和」に寄り添うといった意味も込められているのではないでしょうか?

また、寄り添うという意味では、各国が開催国である日本を意識した様々な工夫がなされています。

先日のオリンピックの例で見ると、

イタリアが開会式で着ていたユニフォームは、国旗色の緑・白・赤の3色を使って、日の丸のような形に見立てたデザインが施されています。

カナダが閉会式で着ていたのは、カジュアルなデニムジャケット。そこには「Tokyo」や「カナダ」といった文字がワッペンやペイントで表示されています。

アメリカは、表彰台に登る時に着るユニフォームが再生素材で作られており、ジャケットの胸元のV字切り替えは着物をイメージされています。

スウェーデンでは、同国発のファストファッションブランドH&Mに代わり、日本発のファストファッションブランドであるユニクロがユニフォームを手がけています。

チェコでは、暑さを凌ぐためのアイテムとして扇子を取り入れています。

このように、日本の「文化」や「歴史」、また「産業」等の様々な要素を取り入れているのです。年齢や障害の有無、国籍、文化の違い等に関係なく、ともに力を合わせた「共生社会」への実現のための一歩に感じました。こうした言葉が通じなくても、目に見えてわかる粋な計らいが嬉しいですね。大変な世の中ではありますが、日本も何か別の形でも良いので歩み返せるようにしていきたいですね……。

本日から開催されるパラリンピックのユニフォームや衣装にもぜひ着目してみてください。何か新たな発見があるかもしれません。競技以外の視点で観るのも意外と面白いのです。

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