9月以降、度重なる台風の襲来……大雨、暴風、川の氾濫。天災の報道ばかりでとても辛いですね。被害にあわれた方々に少しでも早く、平穏が訪れますように。
ネットで情報を集めていると、今年の異常なまでに強力な台風に際し、今までにない動きがいくつか見られました。
私が気になった事をいくつか。
・各種公共交通機関が早い段階で運休を決定し、多くの企業もそれにならったこと
(各地のイベントも多く中止になりました。マルワもお休みをいただきました)
・直近の台風での暴風被害を受けて、窓ガラスの養生を薦める注意喚起が多くSNSで上がったこと。
(テープによる養生の仕方の例、テープで養生することの正否、店頭で養生テープが品薄になったことによるフリマ/オークションサイトでの価格の高騰 等)
・SNSで民間人による被害状況(浸水・川の状態 等)を伝える投稿が多く拡散され、目に留まることが増えたこと。
(撮ってないで逃げてと思うことも多いですし、以前の被害時の画像なのにリアルタイムを装って投稿するなど、事実と異なる投稿もチラホラ見かけました)
・公官庁を始め、行政機関や各事業法人が以前よりもいっそう、SNSやWebページを使った発信を進めていること。
(通信データ容量や電池の消費を抑えるため、一時的に最低限のテキスト情報だけのホームページに切れかえた自治体もあったようです)
総じて、SNSを始めとした様々なツールによって、情報の発信力・収集力・拡散力がとんでもなく早くなっています。そして、手元に集めた情報を精査し、確かめるという作業の必要性を強く感じました。
そんなニュースの中で取り分け考えさせられたのが、「やさしい日本語」についてです。
皆さんは「やさしい日本語」ってご存知ですか?
10月9日にNHKの公式Twitterアカウントの投稿です。
これに対して、「読みにくい」だとか、「馬鹿にしている」という意見があがりました。
こういった発言の多くは日本語を母語として常用している人のようでしたが、記事の冒頭にある通り、対象者は「外国人の皆さん」です。ので、それは良いとして。
次に「英語や中国語、韓国語でかけばいいのでは?」という意見が出てきました。
確かに、と思ってしまったのですが、色々な意見を読んでいて「外国人」と言われた時に想定する人を、私も間違えて受け取ってしまっていたのでは、と気付きました。
曰く、「日本にいる“外国人”には、英語・中国語・韓国語の話者ではない人も大勢いる」ということです。確かに愛知県の在留外国人はブラジルの方が一番多い(参考:愛知県庁㏋https://www.pref.aichi.jp/soshiki/tabunka/gaikokuzinjuminsu-h30-6.html)ということですし、勿論、それだけではありません。
在留者の多い国・言語の場合は、そのコミュニティが新聞を発行しているように、自分たちの母語による発信もなされやすいでしょうが、そうでない、あまり多くの人が日本に来ているわけではない国の人はどうすればいいのか。
実際、地下鉄なんかでよく見る英語・中国語・韓国語の表示のどれにも当てはまらない人がとても多いのだそうです。
この投稿の対象者は、正にその人たち。
日本で働いている人の多くは、英語が話せなくても日本語の日常会話を習得している人が多いそうです。そうした人は次に文字となって漢字がとても大変、とのこと。
でも平仮名が読めれば、今回の投稿を読むことができます。
広がる多様性の中で取りこぼさない為の策の一つ、ということなんでしょう。
当然ながら、平仮名が読める人までしか対応できないので、完全な方法ではありません。
でも伝わる人は増えたはずです。
この投稿に関する議論の内では、言語学的な見地から、文字の区切り方の改善点についてや、「たいふう」という名詞を「とても つよい あめ や かぜ」等と言い換える必要性がある、としているものもありました。
今回話題になって、今後の改善点が話し合われること、「やさしい日本語」が必要な人がいるという視点が広まったことは、とても良いことだと思います。
マルワが取り組んでいるMUD(メディア・ユニバーサル・デザイン)も「全ての人に伝わる」発信の為の考え方の一つです。
つい、外国語≒英語、となりがちな私たち日本人ですが、決して忘れてはいけない視点です。とっても、とっても勉強になりました。
コメント
[…] 昨年10月の記事でもチラッとネタにしましたが(コレです)、日本で暮らす、日常会話なら日本語が分かる外国人の方(Not英語、中国語、韓国語話者)にきちんと伝えるための工夫、それが「やさしい日本語」です。 […]