私がまだ転職したての頃、ある研修でビジネスゲームというのがありました。平たく言えばMGですが、この研修は通常のMGと少し違い、数人が会社を設立し、実際に仕入れ、製造、販売の業界を作って7期ぐらいまで決算をしながら経営を進めていくものです。
結果は販売の業界が全て黒字、他業界はすべて赤字、仕入れに至っては清算業務に…という結果でした。その総評で講師が黒字を出したチームが優秀でありそうでないところには苦言を呈した事を覚えています。それに対して研修仲間でありその後の私の人生の師となる方がこう反論したのを覚えています。
「大切な時間を使って研修にくる受講生。確かに結果で判断することは大切だが、結果を出せなかった人に対してのフォローはどうなっているのか。そもそも研修という場は自分を高めにいくところであり、何かを持ち帰ってもらう場のはず。フォローのないコメントは単なる講師やスタッフの自己満足に過ぎない…」と。
実は私も教職から転職間もないころであり、その講師にかみついた一人です。その後その方は研修後の我々の飲み会に参加され、意見を聞いてくださいました。講師にかみつく失礼な受講生でしたが、耳を傾けてくださる度量の大きかった方だと思います。
最近の研修の中には???と思う事があります。上から目線のリアクションを感じることがあるからです。受講者はお金を払って大切な時間を使って参加するもの。確かに厳しい論調は必要ですが、そこに独りよがりな部分は果たしてないでしょうか。
実績があっての研修ですから、内容そのものを否定はしませんが、成功体験が前面に出て、俗っぽい言い方ですが、「高ピー」な部分が気になる方がいます。
ささやかですが、私もお金をいただき講師を務める事があります。私の場合は次世代向けのメッセージが多い事もありますが、なるべく「お土産」を持って帰ってもらおうと思っています。
それは「元気」です。ホンのひとつでも「来て良かった」と思ってもらえる何か後押しをするもの…。そんなことをいつも念頭に置いています。誰でも発信ができるようになり誰もがコンサルタントになってしまう時代。それだけに謙虚さを感じられる講師の話は自然に入ってきます。常に謙虚に…耳につくからこそ、強く感じます。
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