いち早く立候補して、途中でかすんで結局代表に就任…民主党の新代表に野田佳彦氏に決まりました。海江田さんと前原さんの間で影が薄くなってしまっていましたが、一昨日までの論調からするとまさかの代表です。
この野田さん、それこそ毎日のように駅前に立って街頭演説をしていたといいます。そういったこともあるのでしょうか。メッセージの出し方に説得力がありました。説得力…いや迫力と言った方がいいのかもしれません。
「伝える力」はリーダーにとっては重要な要素です。メリハリがあり、ちょっとユーモアがあって…そういったメッセージに聞いている人の心はなびくものです。確かに講演でも眠くならない人の話し方はメリハリとユーモアがあります。
政治記者たちの話では当日のスピーチで政治家の人たちは投票行動を変えるといいます。代表を決めるという行動を変えていくわけですから、やはり発する言葉のメッセージ性はかなり重要な要因です。「言霊(ことだま)」という言葉もあるぐらいですから…。
世論の多くが地味という表現をしています。このところ人気の高い人がトップの座につき、あえなく失速を繰り返していますので、案外地味な人の方がいいのかもしれないという論調さえあります。そのあたりの期待薄が気になります。
誰がやっても火中の栗を拾う役目になった今回の代表の座。説得力があるものの具体性に欠く演説という評価だった代表のメッセージ。新代表にとってはどちらにしてもいばらの道です。
それにしても実質的に一国の総理となる今回の代表選の短さにはただただ驚きました。我々国民が直接選挙に参加できないにしろせめて政策論議を戦う場があってもいいと思いますが、理想を掲げた野党も結局与党になると「ご都合主義」になってしまうものですね。
多くの国民は実は政治に冷めているようです。期待していない…という言葉を聞くと政治に対する失望感の大きさを感じます。今回の野田さんの伝える力そして「ノーサイドにしましょう」という代表選出後の最初の言葉。前代表も同様のことを聞きましたが、今回こそ先送りにはできません。
伝える力だけが目立ち、実行力に欠ける…そんな評価にならぬようにと切に願います。トップに就くことがゴールではありません。代表にとっても党にとってもそしてこの日本にとっても、それこそ崖っぷちの筈ですから…。
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