モノではなくコトを売る
言うのは簡単だけどそれを具現化するのはたやすいことではない。特に印刷業界は受注産業、お客様が必要と感じない限りは必要とされないだけに、コトの提供はかなりハードルが高い。
先週業界の商社の展示会にはお誘いをいただき足を運んでみた。当然業界関係なので、機械関連や業界用のソフトの紹介もあるが、「こんな印刷ができます」と言った特殊印刷を売りにしている会社の出展も多い。
ところで「こんな印刷ができます」という展示は正直なところ食傷気味だ。特殊な技術を使った印刷物は見ていて楽しいが、それをどうやってお客様に使っていただけるかを披露している会社はない。
受け手側になればわかるのだが、それをどうやってお客様に気に入っていただけるかを教えてくれればすぐに採用するからである。なんて書くと
😐 それを考えるのが売る側の知恵でしょ
という声が聞こえてくる気がするけどね。
このように提案側とそれをそれを採用する側の溝は一般的には埋まらないのである。ただ、先日の展示会ではそうした効果までちゃんと提示できれば、受け手側にとって道が拓けると感じたブースがいくつかあった。
面白いもので道が拓けるヒントがあるだけで、たとえそれが具体的な解決策でなかったとしても、捉える方の思考が広がるから不思議なものである。
我々は普段からお客様に提案する際に、売りたいものを提案する 😥 。その為に大切なその商材やサービスを使う入り口を忘れてしまいがちだ。いやっ、まず忘れてしまう。
オッと思うのは、その入り口になるちょっとしたきっかけの提示ではないかなと。それがあるだけで曖昧な提案が身近なものになるのではないかなと感じている。
「モノよりコト」という思考のハードルは高い。売り手の立場が優先しそこに導くヒントや気づきの提案が後回しなんだと思う。
マッ!口で言うのは簡単だけどね。とかく印刷物ばかり目が行きがち展示会だけにオッと目を惹く提案は新鮮であり、気付きを与えてくれる時間となった。
ただ単に「できますよ!」だけの提案とは違ったブースが複数あったのはモノよりコトの本質に気が付いて来た会社が増えてきたという事? うん、オチオチしてられない 😉
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