俳優の原田芳雄さんが亡くなりました。71歳ですが、今の時代ではまだまだ若いですね。たまたま先日11日の舞台挨拶の様子を見たのですが、あまりに痩せてしまったのが個人的にショックでした。原田さんといえば精悍な顔で渋い声、口数の少ない雰囲気が同じ男として憧れでした。
自分の年齢が50歳を過ぎ、最近思うのは素敵に年を重ねたいということ。何も若作りをしたいとかではなく、年相応にあった年齢の重ね方をしたいと思っています。私が社会人になったとき50代はおろか40代でもずいぶん年上に感じたものです。しかし自分がその年齢になった今、当時のように年齢を重ねている感覚が自分にはありません。
それだけ年齢を重ねたことに対する自覚がないということ、一方でメディアが年配を年配者として取り上げなくなったことも大きな要因だと思います。確かに以前は60歳を過ぎると文字通り「定年」でしたが、今は65歳、いや70歳でも十分に現役、なにせ60歳を過ぎてもまだ寿命が20年ぐらいある時代、老けるにはまだまだ70歳でも早いかもしれません。
時代を走った俳優さん、著名人が亡くなっていきます。細川俊之さん、和田勉さん、長門裕之さ、みな一世を風靡した人たちです。その人たちへの記憶はまだバリバリに活躍していたころの彼らの顔であり、声であり仕草。こうした映像が頭の中にインプットされたままとなり、我々の記憶の中に残っていくのでしょうね。
振り返って自分はどうでしょうか。多くの方々と出会う機会をいただき、その人たちとの出会いで今があると感じています。そういった人たちへの恩返しは時間との経過でなかなかできませんが、経験した分だけ若い人たちに伝えていきたいと感じています。特に同じ後継者として、若い人たちの悩みを受け止めることができる先輩でありたいと感じています。
先の原田芳雄さん、本当に後輩の面倒見がよかったといいます。最後の舞台挨拶でも共演の役者さんに車いすを引いてもらっての登場でした。後輩俳優の石橋蓮司さんが代わりに挨拶をする姿が印象的でした。この世を去る時に初めて人としての評価がわかる…あらためて感じる悲しいニュース。そして決してなれないですが、原田さんのような年の重ね方をしたい…と強く感じています。
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