結婚式の招待状
お店のカラーのDM
会議の資料
ハガキへの住所印字
かつては印刷会社でないと出来ないものだった。特に明朝体やゴシック体と言った書体は印刷会社だけが持つ特権だったように思う。
ワードプロセッサが登場し、パソコンになり誰でも自由に書体を使えるようになった。カラープリンターが安価となり気軽にデザインの真似事ができるようになる便利な時代に。つまり印刷会社でないと出来ない仕事はかなり減ってきた。
それでも、誰もが作れるけど、アマチュアとプロでは仕事の出来栄えは違う。誰が見たってプロとアマの差は分かる。そして皮肉なことには「逆」もまたあるわけだ。
😡 これでプロの仕事ですか?
って。便利な道具が出来た事で、出来栄えを評価する垣根の違いがなくなってきたお客様の見る目も顕著になった。つまり我々印刷会社に求められる質感は以前より高度になった。
➡ プロだからできるデザイン
➡ プロだから見事な宛名印字
➡ プロだから読みやすい組版
お金をいただくから求められる水準は以前に比べて格段に高くなったと思う。
僕がこの業界に入った30年近く前は一人前になるのにかなりの時間がかかった。一つ一つ文字を拾う活字や写植は配列や文字の場所を知るのにもかなりの熟練が必要だった。
写植の文字盤(素材はガラス。光をあてて文字を印画紙に焼き付けます)
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文字をキチンと見やすく打ち上がるのにはスキルとセンスが不可欠だった。なにせ普通に打ってもきれいに文字が並ばない。整然と文字を打つだけでも難しく、こうした仕事が成り立った時代だから。
今はソフトの使い方さえ分かれば真似事ができる。真似事というのは「それらしく見せられる」という感じ。ところが真似事でも仕事になるから一人前と勘違いし、プロとしての出来栄えの質は格段に落ちた。
皮肉なことに、先のプロとアマの出来栄えが違うことが明確になる一方で、プロであるはずの我々の仕事の出来栄えも明確にお客様に判断ができる時代になってきたように思う。
プロの仕事か?
その出来栄えにお金を払う価値があるか?
それは第三者がジャッジするものだ。ジャッジがシビアになってきた。それを我々は社員と共に真摯に受け止めなくてはならない。そしてプロとしての仕事を自身で真正面から評価することがこれからの会社経営に必須だと思う。
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