企業は人なり
社員や部下の育成での悩みは尽きないもの。その一番の要因は一体なんだろうか?
理由はシンプルだ。それはパラダイムが一人一人ちがうということ。つまり人はそれぞれ思考や物の見方捉え方が違うということだ。十人十色というが、まさに十色だから多くの考えがあり、合わない人がいるのも至極当然。それでも組織の中にいる限り、育成は上司にとって必須。
ところが現実には指導と称して指図したりする。役席として必要な事だが、コントロールしようとすると、意外に逆効果になってしまう事が多い。そんな時に大切なのは会話だ。
特に我々も含めて上司になる立場の人は人の話を聞くことだと、いやっ耳を傾ける(傾聴)だと。因みに、話を聞くときは、相手の話をしっかりと聞くことだと思う。
当たり前なんだけど、これがなかなかできない。自分の意に沿わない意見だとついつい遮ってしまうのが人の感情だ。
自分のことで恐縮だけど、先日の来春の新卒予定者の最終面接でお会いした学生さんから
🙂 頷きながらしっかりと目を見て聞いてくれてありがとうございます
と言われてびっくりした。そして率直に嬉しかった。
かつての自分は人の言葉を遮って話を対してしまうタイプだったからだ。今でも気をつけていないとその悪癖が出る。多くの研修の場で傾聴について気付かせてもらったおかげで、ようやくだけど少し聞く姿勢ができるようになって来た。
傾聴する目的は、気持ちよく話してもらうこと。その結果お互いの感情が円滑になり、話がスムーズに進み理解が深まる。だから信頼関係も生むわけだ。話し方ひとつで相手の理解も変わるってわけ。
話しやすいとは聞いてくれるから。だから話しやすい環境作りを自ら作っていく事だと思う。
育ってきた時代も背景も環境も違うわけだから、そもそもベースとなる思考は違って当然。だから最初から分かってもらえると思っちゃあいけない。一緒に屋根の下に暮らしてきた親子でさえ、考えが合わない事があるのだから。
部下とのコミュニケーションと称して、
😥 説得しようとしていないだろうか。
😡 言い聞かせようとしていないだろうか。
いずれも力づくの姿勢ではいい結果はあらわれない。だって人は指図されるのが嫌だから。
😥 なかなか分かってくれない
言って直ぐに改善できるのは大したことではない。なかなか摺り寄せができないから理解しあえた時の喜びも大きいのだ。
辛抱強く育成していくと、実は自身も成長できる。
実は部下の教育は上司の人間力を強めていくものでもあると、この年齢になってあらためて感じている。
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