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自費出版のお話・・・その②

マルワの商品

一昨日に続いて自費出版のお話。今日はその中で忘れられないお手伝いをしたお話を紹介したいと思います。「思いを形に」そんな言葉を感じて、自費出版にはいろんな人間模様があるとと思ったお話です。

写真は自身ががんを患いその様子を日記に書き留めたものを本にした一冊。この方は僕の教職時代の一回り以上の先輩です。

当時、中学校から赴任され同じ小学校6年生をご一緒したのですが、若造の僕が、教育についた食ってかかってもいつも温かく受け止めてくれました。

我々夫婦の結婚にまつわるゴタゴタにも勇気付けていただいた方。ご一緒したのはわずか3年でしたので、他の学校に僕が転籍後は年賀状のやり取り程度でした。もちろん教職を辞めて印刷業に転身したのはご存知。そんな先輩から、20年以上経過したある日

 🙂 自分史を作りたいんだけど

と懐かしい電話。

 😉 実はがんを患いステージフォーなんだけど、この間の自身の治療や病気の進行を本にしたいんだよね

訪ねていくと思いの外、血色も良く決してそんな大病を患っているようには見えませんでした。そこから企画の仕事を手掛ける家内と、何度かお会いしながら出来上がったのがこの本。闘病生活の思い出や術後のリハビリの話を自身の体験を通じて綴られています。退院しても好きなゴルフには無理してでも出かけ、車いすに座って移動し、グリーン上だけプレーした何て話を聞きながら、

 😕 この本ができるまでは死ねない

って、必死に文章を整理して、校正を何度もして。ようやく出来上がった後は、ご自身で書店を回って自らセールスに回っておられました。そのご褒美でしょうか。新聞にも大きく取り上げていただき満足されたのか、あっという間にあの世に召されました。

 🙂 自分の治療を同じ悩みを持つ人たちに発信したい。

 😕 自分が生きてきた足跡を残したい

そうした理由だけで、生きていく目的が明確になる、要は生きがいは人の自らの病気にも打ち勝てる事をこの先輩から教わりました。

後日奥様から

 😀 自分の寿命を悟ってから、本を作るお陰で落ち込むよりも充実した毎日のようでした。ありがとうございました。

と連絡をいただきました。

紙の印刷物が減り、自分たちの業界の疲弊ばかりがクローズアップされているけど、実はこうして生きがいや、やりがい、そして達成感を届けることができるのも我々の仕事。特に、自分史はその本を受け取る方はともかく、書く方は自分の生涯を整理したいという思いがいっぱい詰まっている気がしています。

そこには

お金には変えがたい価値がある

と、あらためて感じています。

人の思いを実現している

それが我々の仕事だと思うと、

印刷業界はまだまだ捨てたものじゃあない 😉 

と思っています。

明日からゴールデンウイーク。せっかくの休みなので、皆さんもなにか一冊、本にでも触れてはいかがでしょうか。


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