「ななつ星」という列車をご存知でしょうか。実はまだ運航していませんが、JR九州が企画した日本初の「クルーズトレイン」です。九州各地を回り定員はわずか28名、一泊二日で一人15万円、3泊4日で55万円(いずれも平均価格)の価格設定で、10月15日から運航開始だそうです。
これ程高額にもかかわらず、なんと9ヶ月先まで予約で満杯とか。九州各地域をゆっくりと回りながら観光、そして列車の中では一流のシェフが振る舞う料理を味わい、非日常をこれほど存分に味わえることはまずないなと思います。
予約は抽選、申し込みはがきにはこの旅行への思いが切々と書かれているそうです。それほど乗ってみたいと思わせると果たして企画から勝算があったのでしょうか。だとすれば今の消費者心理をよく掴んでいるなと感じます。
14年後には東京、名古屋間をリニア新幹線が開通します。40分程度ですので全車禁煙、トイレにゆっくり入っていたら到着してしまったなんて、ブラックユーモアみたいな旅になりそうです。この場合のお金は「時間」を買う事となります。
こうした高額を支払う人の消費行動は「特別」がキーワードですので、こうした旅行業界だから…と言ってしまえばそれまでですが、この考え方は、我々の印刷業界に果たしてあるのでしょうか。
「印刷業界では無理…」という言葉が早々に返ってきそうですが、ひょっとしたら印刷業界にも「ななつ星」があるかもしれません。それは印刷物が「きっかけ」として実現することかも…。と考えるとちょっとワクワクします。
こうした思考がマーケティングなんだと、あらためて気が付き苦笑いをしてしまいました。ななつ星乗ってみたいなぁ。それにしても三泊で最高額は98万円、ちょっと庶民からは???? だから特別・・・うーん、納得いくような、いかないような(^^;)
「モノの価値」がよく議論されます。人数を絞って決められた人だけが体験できる事を価値としたJR九州、「効率と大量輸送」がビジネスモデルの鉄道会社がよく踏み切ったと感心します。あんな大きな組織がそれをやってしまうんですから、我々のような中小企業であれば、いとも簡単に変化できるはずですよね。・・・とブログを書きながら言い聞かせている私でした。
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