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複雑な気持ち

「どんな事情があっても親より先に死んではいけない。それが親孝行だ」と言われます。「助けなきゃ」といって、横浜市で踏切内のお年寄りを助けるために身の前で娘を亡くした父親の心境はとても想像できません。
事故後に気丈にインタビューに答えてみえたご両親の様子を見ると私が当時者だったらとても振る舞えないなと思います。
「とっさの行動」という言葉を使うことがあります。その人の究極の真の姿はこのとっさの行動に表れるのかなと思います。それだけに彼女をそうした行動にさせた心理は何だったのかなと思います。
勇気ある行動を称える一方で冒頭の「親より先に」という言葉が頭をよぎります。彼女の行動は賞賛される一方で子を持つ親の立場では何ともやりきれないなと思うのです。
「助かったお年寄りには彼女の分まで生きてほしい」と報道陣に語ったご両親ですが、そういった答しかできないなと思います。「命あっての」といいますが、死んではいけません。美談になるかの瀬戸際でしょうが、死んでは元も子もないと。
私がその場に居合わせたとしてそうした行動に出たかと聞かれたら答えは「否」でしょう。「その場になってみなければわからない」と答えても私の場合は嘘だなと思います。私にはとてもそれほどの勇気はありません。
人前でもっともらしいことを話をしますが、実にとっても私は臆病者です。人はいくら奇麗事をいっても一瞬の行動がその人の本質なのかと思います。
やはりどんな事があっても死んではいけません。親よりも先に逝ってはいけません。人助けをした誇り高い娘、でも先に逝ってしまったら親孝行ではないなと何とも複雑な気持ちに、そしていたたまれない出来事でした。ご冥福をお祈りします。


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