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「まっいいか」の怖さ

先日、現場と営業が仕上がった印刷物をもって部屋に入ってきました。仕上げに若干のばらつきがあるということ。確かに個々ではほとんど気にならないのですが、仕上がったものをまとめてみると、気になるものもあります。
「このまま納めてもお客様は気がつかないと思いながら実は迷っています」と…。結局刷り直しを命じることとなりました。確かに彼らの言うとおりほとんど気になりません。言われても気がつかないと思います。ただ「気持ちが悪い…」という理由で先の指示を出しました。
「やっぱり僕たちブレブレですね」と彼らの言葉。その言葉を聞いて逆に「ハッ」としました。ある意味では彼らは私を試していたのかもしれないと。もちろん、そんな気持ちはないでしょうが。
仮に「わからないと思う」と私が出荷を許可したとしたら、普段私が社員に発している「すべてはお客様のために」という言葉は見事に大ウソになってしまいます。先の「ブレブレですね」は、刷り直しを命じたことで私が普段言っていることに裏表がないということを理解したのだと感じます。
ということは、これを逆のメッセージを出していたら、「社長は口先だけ」ということになってしまいます。目先の損得で逆のメッセージを出したら、その時点で私のメッセージは薄っぺらものとなってしまいます。
その時に社員に以下のことを伝えました。「ここで仮に出荷のサインを出したら、多少の品質は納まってしまうと思うでしょ。ここできちっとダメ出しをすることが、しっかりしたものを提供しようという気持ちを持って臨んでくれるはずだから。」と…。
当たり前のことなのですが、ついつい企業活動では、こうした「まっ、いいか」という場面が多くある気がします。しかしその「まっ、いいか」が小さなほころびとなり、トップの言っていることと現実の違いに社員は信用をなくしていくのではと感じています。
些細なことを見逃してはいけないことを強く実感します。大局を見ていくことがトップの務めだと改めて彼らから教えられました。


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