先日勉強仲間である友人から社長交代の挨拶状をいただきました。通常よくある二つ折りカードで右側に退任して会長になった方の挨拶、左側には今回社長に就任する方の挨拶というお決まりの物です。
商売柄こうした挨拶状は、形式が決まっており、くだけるものではありませんので、どうしても似たり寄ったりの物になってしまいます。またそれが礼儀であるとも思ってきました。
しかし先日貰ったものは一寸した「仕掛け」がありました。新しく社長になる方の写真とメッセージが書かれた印刷物が挟まれていたのです。紙加工の会社ですので商売の強みを生かして型抜き入りのメッセージカードでした。
社長交代の挨拶状がたったこれだけの事で、何か心温まるものになるから不思議です。たまたま紙加工業という事もありますが、自身のビジネスモデルの強みを生かしたメッセージカードはインパクトも強いですし、何よりも事業を継承する事への覚悟のようなものを感じます。
時代が変わっても、挨拶状そのものの形は一つの礼節としての位置づけもあり、変わっていけない部分もあります。一方で伝え方は時代と共に変わっていくものだと感じています。
形式的な挨拶状だからこそ、自身の思いを伝えるためにひと工夫をする…そんな姿勢が伝わっただけに、情報を伝えるものとしていい刺激を頂いたなというのが正直な気持ちです。
自分自身の仕事をこんな形でメッセージとして生かしていく、そんな心意気を感じる挨拶状でした。そして「頑張れ!!」と見た瞬間に心で叫んだ一瞬でした。
商売柄、情報発信はお手の物と思っていました。しかしこうしたインパクトのあるちょっと気の利いた演出まではなかなか頭が回りません。ひょっとするとこんな「一寸したこと」をお客様は望んでいるのではないかと感じます。そしてそれに気づくことが「アンテナ」なんだと…。そんなことを教えてもらったお便りでした。
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