事業継承は企業にとって大切な一大事業です。このところ銀行やコンサルタント主催の事業継承のセミナーが多くなった事を実感しています。私は入社段階で父親との交代時期を決めていました。今から考えるといとも簡単に了承をした父親の英断には頭が下がります。
世の中には70才を過ぎてもいや80才を過ぎても代表権をもって頑張っている社長さんを見かけます。つまり後継者は50代をゆうに過ぎてしまっているという事です。こういった企業は先代のカリスマ性が強く、現社長が健在な場合は少々の事でもガタがきません。ところがえてして代が変わってしまったとたんに、不協和音が出てきてしまいます。
一方、先代の力量が落ちてきての代替わりは、まわりも認識していますので、権限委譲の理解も得やすくスムーズにいく事が多いようです。ただ、問題なのはその交代時期、高齢になっての継承は、受け継ぐ側も年齢が高くなり、経営に必要な感や頭の柔らかさとはほど遠くなってしまいます。
今回の総理大臣、周りからの不協和音はどこ吹く風、まったく退任の意思を示しません。野党時代にはこうした姿勢に厳しい追及をしていたのですが、「他人は他人」「自分は自分」…という事でしょうか。最初は辞任要求をする野党に批判的だった国民も、さすがに退任表明後(…と受け取れる)行動を見るとさすがに首をかしげます。
ただ…一つだけ感心???する事があります。これだけバッシングを受け、仲間からそっぽを向かれ、晩節を汚す…とまで言われてもやり続ける精神力は、このところの二世の政治家にはないタフさを感じます。個人的には疑問のつく人ですが、経営を預かる身として、精神的なタフさ(少なくともそう見えますが…)は見習わなくてはなりません。馬耳東風、全く気にしない…いやいや知ってて耐えている…・どちらにせよ並みの精神力ではないな…そう思いませんか。
ここまで粘り腰…ひょっとするとずるずると退任を遅らせる行動がウルトラCの結果を生むとしたら…・これは後々の歴史が判断する事でしょう。ただ…やっぱり「継承」はバトンをつなぐ事、このままではバトンを渡す前にコースを外れて失格となってしまいますが…。
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