写真は私の叔父の個展の様子です。母親の弟で長く洋画を描いてきました。日展にも何度か出品しています。昨年奥様を亡くし、本来であれば御主人を支えた奥様にとっても集大成の個展は楽しみであったと思います。
私も小さい頃ほんの少しですが絵を描いていた時期があります。油絵のまねごとでペインティングナイフを使って描いていました。もともと小さい頃は大好きで、毎日のように鉛筆を持って描いていましたが、お絵かきの先生と合わず結局絵を描く事が嫌いになってしまいました。
なぜ嫌いになったか…単純な事ですが、自分が描き上げた絵にあれこれと文句をつけられてその上からまた色を足していくのがいやだったからです。そういえば習字も同じ理由で辞めてしまったわけで、思い返すと単なるわがままだったと思います。
大人になってこうした絵を見るにつけ、やはり師匠となる人のアドバイスは大切だと感じています。絵や習字というのは流派みたいなものがあり、属する会派によって出来上がっていく絵が変わります。しかしいろいろな指導を重ねていくうちに自分なりの「色」が出来上がっていく事をあらためて叔父の絵を見て感じます。
よく有名な画家が若い頃の絵から老練な作品に進化していくうちにターニングポイントのようなものがありますが、まさにそういったものはこうした芸術の世界でもあるのだと感じます。そして実際に叔父の絵もあらためて作風の変化を感じました。若い時はそれなりに力強い色彩、最近は優しいタッチになったなと…。
ひるがえって経営はどうなのでしょうか。経営者のスタイルが年齢と共に変化していくのは、やはり同じようです。一つだけ違うのは環境に合わせていくことが求められること。スタイルを大切にしても結局評価するのは消費者、お客様、従って環境に即した変化をしていく必要がある事を実感しています。
思いのほか多くの方に足を運んでいただいているようです。自分が描いて育て作品の数々、これを公表できるだけの積み重ねをしてきたと思うとあらためて叔父の偉大さを感じます。ひとつの事に集中する気力、我々経営者にも共通する部分があるように感じます。
さて、叔父の展覧会も今週の木曜日まで。ぜひ気軽に足をお運びください。
渡辺一弘展 6月24日(木)まで
名古屋市中区錦3-25-12 AYA栄ビル4F (ちなみに本日は休館です)
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