先週末は全日本印刷工業組合の中部地区協議会、愛知、岐阜、三重、石川、富山の各県工組の役員が集まり、各委員会に分かれての意見交換、そして組合事業がどう進められていくかという話し合いです。
その中でお役所の最低入札制限価格について各県の現状と意見交換がありました。印刷業界もご多分に漏れず過度のダンピングの状況となっています。
当社も先日、増刷の金額が高いとお客様から指摘があったのですが、お客様が参考したのは競争入札で落札された価格。どうみてもダンピング価格で、我々が下請けに出した金額よりはるかに低い額で先方の希望金額となりません。こうした状況は全国的な問題となっています。
県によっては行政との意思統一ができ、ダンピング業者を排除することに成功している所もありますが、私どもの愛知県は行政サイドの賛同が得られないのが現状です。
そんな中である出席者から「当社の場合行政は皆無。従ってそうした議論を聞けば聞くほど行政との取引を止めてしまえばいいのにと思う」と発言されていました。まさにおっしゃる通りだと思います。
印刷業界は地方に行くほど、行政依存が高くなってしまいます。特に印刷物の発行は行政が一番多く、それが業界そのものを支えているといっても過言ではありません。しかし書類さえ出せば誰でも入札に参加できるのも事実。「名刺代わり」に落札していく業者が後を絶たないのが行政です。
そんな中での「やめたら」という意見、一見乱暴ですが、確かに筋は通っています。いつまでも行政に依存し、金額の不当性に不満を言っているぐらいなら、早々に方向性を変えてしまえばいい…確かに行政依存でない会社からいえばその通りですね。
そんなに簡単に業態を変えるほど甘くはないですが、「変わる」ことに気持ちを変えていかないといつまでたっても価格競争に四苦八苦するだけになってしまうと思います。
先の意見には「仕事の内容が違う」と異論は出そうですが、第三者から見れば普通の意見。それが同業者の会議で発言されたことに意味があります。相憐れむ…そんな話し合いよりもずっと刺激的で、勇気づけられました。「仕事創り出す」そんな言葉をふと思い浮かべた次第です。
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