元々稼業は継ぎたくなかった。理由は社員に遠慮しなくちゃあいけないから。と子供の頃はずーっと思っていた。思い返してみると先代は社員の目を気にしていた人だった。先日母親は僕に「あなたにかえって肩身の狭い思いばかりさせたな」とポツッと言っていた。
創業者ということもあり、両親にとってはほとんど子供たちをかまってやれなかったようだ。そんな理由もあり意外に早くから我が家には当時の時代の先端をいく、家電製品があった。例えばカラーテレビやクーラー。
しかし決まって「社長のところはカラーテレビを買ったらしい」と社員たちが騒ぐ。新しいものを買えばそんな繰り返しだった。ということで先代は努めて社員に気を使った人である。
そんな事情も知らない子供の僕にとって、社長業は気にして遠慮する仕事。社長業としての旨みは全く感じなかった。社員に気を使ってばかりで何が面白いんだぐらいに思っていた。
■でも先代は正しかった
しかし先代は誠実で真面目な人だったので盤石な会社を僕に残してくれたと思っている。少なくとも資金繰りで困ることはないしね。
よく先代のやり方に不服をいう後継者を見るが、そもそもやり方が間違っていたら会社はここまで存続はしないわけで、時流に合っていたから存続したわけである。
往生際が悪い僕ではあったが結果会社を継ぐ事になる。しかしなるべくプラスのイメージを伝えてきたと思っている。家が事業をしているから
➡ 県外の大学にも行かせられた
→これは特別なことじゃあないけどね 😉
➡ 留学も行かせられた
➡ 社長は多くの場所へ出かけ、たくさんの人会える
社長業としての充実した部分は伝えたつもりである。ただ社長の息子にありがちなお受験はなかったですけどね。ちゃんと高校まで公立高校でした。
一方で家内は会社で起こった事を普通の会話に中で息子に伝えていたらしい。これが要因かは分からないが、少なくとも僕が会社に入る動機よりは前向きだと思う。
じゃあ、先代が間違っていたかというと決してそうは思はない。当時は職人集団、引き抜きは当たり前の時代だった。その状況でなるべくトップとして襟を正してやっていたのだろうと。
先代同様社員に気を遣う点は僕もそうだ。ただそれは「遠慮」ではなく、社員目線で考えるということ。細かいことは省くけどね。若いころは色々と気を遣えば良い。僕の年齢になって初めて自由に振舞えるんじゃないかって。
ちなみに先代は晩年、小さいけど最後の車はアウディに乗ってもらった。先代は
外車なんて 😥 と
フロントグリルの四つの〇は取れないか 😥
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