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父親の度量の深さ

市川団十郎さんが亡くなり、また一つ歌舞伎界の大御所が「この世の舞台」を後にしました。生前の団十郎さんはとても穏やかで、教えを乞いに訪ねてくる人に決して恫喝することなく丁寧に指導したと言います。
この指導は決して他人だけでなく、息子の海老蔵さんに対しても同じだったとか。自身が父親から鉄拳制裁で稽古をつけられていた経験があるからでしょうか、決して手を上げなかったと言います。
手を挙げた稽古が決してプラスでないと悟ったからでしょうか、決して息子に手を上げなかった海老蔵さん。しかし甘やかしていたわけではなく、泥酔事件で謹慎の間「大人の見くびるものではない」と厳しく伝えたとも言います。
舞台に穴をあけた息子に代わり全国の関係者に対して頭を下げて回り、「自身で気づく」為に息子に対して背中を見せての行動は、死亡後の記者会見で海老蔵さんが父親を尊敬する言葉に表れているなと感じます。
「依頼された役に対しては、自分でやりたいと口にするまで一切何も言わない」生前の団十郎さんが海老蔵さんの指導について語った言葉。主体的な人格を創る為に一本筋の通った後継者教育をしていた人だと感じます。
団十郎さんの舞台を生で観た事があります。登場するだけで空気感が変わるオーラのある人でした。このオーラはきっと自身が作り上げたものでなく、彼を慕う多くの人が作り上げてできたのだと思います。
歌舞伎界での親と子、私にはオーナー経営者の事業継承とダブります。私の父親も私が入社後はあまり口出しをしませんでした。そして身内には厳しい人でしたが、他人にはとても温かい人でした。父親が他界してあらためて感じる父親の度量の深さ。
50代半ばに差し掛かった私ですが、年を重ねるごとに「大人の経営者」であった父親の偉大さを強く感じています。父親という後ろ盾をなくした「ニュー市川海老蔵」の今後が楽しみです。そしてあらためて「大人の経営者」を私も目指そうと…。


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