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まさかの呪文

「まさか」という言葉を使う時があります。この言葉を使ったときは想定外の事態です。想定外がいい結果であれば喜びも倍増ですが、逆の場合は負の影響が大きくなることが多いもの。
先日の中央道でのトンネル内での天井崩落事故は後者の「まさか」でした。毎日何気なく使っているトンネル内で、天井が落ちてくるとは思いません。それが現実に起こったという事は、もはや天井の崩落は「まさか」ではないという事です。
中央道ができた頃は、ちょうど高度経済成長の真っただ中、列島改造ブームで全国に道路ができた頃です。あれから40年近く経過し一斉に老朽化が進んでいます。その数は全国の高速道路の4割にも達するとか。
起きてしまえば「やはり」と思うのですが、人はどこかで絶対に安全と思っているのだと感じます。NEXCO中日本の社長が謝罪していましたが、できた当時は日本道路公団という一つの会社。たまたま分割したのが中日本になっただけの事です。
そんな背景となれば資料だって満足に残っていない事情も当然かなと思います。ボルトが抜けるのが原因だと聞くと「やはり」ですが、抜けるまでは「まさか」なんですね。
今週初めに朝礼でこの「まさか」の話をしました。「絶対」という言葉はないという事、そしてそんなことはわかっていると思いつつ、一方で人は「絶対」という響きを頼りにしてしまうものだと…。
マイナスの結果になった際「まさか」と自分を言い聞かせ、心の中で「仕方ない…」と思ってはいないかと。ましてや人命に関わればそんな逃げは許されません。少々お金がかかろうとも、この際全点検をすることが犠牲者に対する供養です
日々の企業活動で「まさか」と思わないために、ちょっとした手抜きや目先のお金を惜しんだ事が重大な結果となってしまう…そんなことにならないように日ごろから「まさか」の言葉、呪文に惑わされないようにすべきだとあらためて感じた次第です。


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