今年も一カ月に及ぶ社員のヒアリングが終了しました。この試みはもう私がこの会社にお世話になった頃から続けています。当初は15分程度の短いものでしたが、いまでは一時間近くに及ぶものもあります。一時一人に2時間近く時間をかけた頃もありましたので、いまは事前に質問事項を知らせる事としています。
そしてもう一つ、この質問事項の効果は、「しゃべりすぎない」事です。ただでさえ社長は語ってしまうもの。「自分は聞くタイプ」という人でさえ、間違いなく半分以上は喋るといいます。独りよがりの面接にならないようにそして質問が偏らないように、事前の質問告知をしています。
この面接ですが、以前の面接も全て記録として残しています。半年前の発言、一年前、二年前等々とその時折でどんな事を話していたかがよく分かります。そしてその内容を読み返していく事で、社員の成長がわかります。
今回の面接は私にとっては大変に有意義でした。会社の業績は厳しい状況ですが、社員がこの状況下で自分の使命は何か、そしてどういったミッションを与えられているかをしっかりと話ができたからです。そして何よりも前向きさがいい、愚痴をいう社員が一人もいなかった事に社員の成長と、会社を取り巻くシビアな状況をよく理解している頼もしさを実感しました。
私自身にとっても有意義でした。質問の仕方だけでなく、限られた時間の中で会社が何を望んでいるかを、端的に伝える事ができたからです。逆に社員からも私に対するメッセージを聞く事ができました。こうした短い時間ですが、問題意識を共有できたことが大きいと思っています。
大企業であれば組織の大きさ、企業のネーミングであ不満もガス抜きできますが、中小企業は顔と顔の距離が近くなります。その割にお互いを理解せず、ついつい自分の主張を優先してしまいがち。今期のキーワードが「チームワーク」ですので、今回の面接でこのキーワードにいかに沿っているか否かも確認できました。
こうした成果を得る事ができたのは、社員も私もお互いに伝える事に慣れたのではないでしょうか。ここまでやはり十年以上の時間を要しました。ようやく本来目的としていた、ヒアリングの第一歩を踏み出せました。いよいよここから、社員と共に作り上げていく明確なメッセージの発信をする時が来ました。大切にしたいと思っています。しかし…何事も積み重ねですね。
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