先日ある中学校の先生と打ち合わせをしていたら、なんとその方箱根駅伝常連校の駅伝部出身だったと聞き驚きました。といってもご自身は選手として走ることはなく、「準部員」だったそうです。
この先生、高校までは野球部で甲子園を目指していたそうです。箱根に出場するような常連校はお察しの通り高校時代に活躍をしていた選手が特待として入学します。そんなわけで未経験の彼は「準部員」という扱いになったのだそうです。
駅伝の常連校は実力の世界。箱根に出場しても芦ノ湖の宿に入ることもできず、自宅から応援に駆け付け後輩の一年生ランナーのマッサージをしていたとか。体育会系の大学ではそれが当たり前なんですね。
甲子園を目指すほどの高校だったそうですが肩を壊して大学での野球は断念。大学で何かに打ち込みたいという理由で、叩いたのが駅伝部というのですから驚きです。
その先生、結局4年間練習をしても、常に後方だったと苦笑いしていました。そんな修行のような大学生活をしていたからでしょうか、管理職という立場ですが、お話をしていてもとても穏やかで器の大きさが伝わりました。
おそらく生徒の信頼も厚いと思います。若い時の苦労は買ってでも…と言いますが、そこまで買っちゃう???(笑) 私にはとても真似はできません。教育現場は大変厳しい状況ですが、こうした先生がいる学校は安心だなと感じます。
なぜ?? 「できない子」の気持ちがわかるからです。一生懸命でも「できない」という感情に寄り添う事が何よりもの教育だからです。職員の方の気持ちのいい挨拶は上司の寄り添う姿勢が部下に伝わった結果だとあらためて感じました。
日ごろ「なぜできない、わからない」と思う場面があります。しかしそれだけで経営はできない事も感じています。「手抜きのできない」と「真剣に向き合ってできない」は質が違います。後者をしっかりと見極め、「寄り添う」姿勢を持つことが上司としての務めだと教えられたひと時でした。
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