先日同世代のお客様と打ち合わせをしたのち、最後に「実はこの打ち合わせで最後です。 」と突然退職する旨を聞きました。その方私より二才年上ですが、東京で大学を卒業後その会社一筋で働いてきた方です。いわゆるはえぬき社員、突然の退職宣言にただただ驚くばかりでした。
何でも田舎に戻って農業をやりたいとか。都市計画に関わる仕事をずっとされてきた方ですので、意外な転身と思いましたが、何でも数年前から考えていたそうです。
高度経済成長期、都市が発達していく裏で、農業をはじめとする第一次産業が都市化の犠牲になってきたのではと。それだけに成熟化してきたこれからの日本は第一次産業がイニシアチブをとるのではと考えているそうです。それを自身で体感したいと今回の大きな決断だったようです。
随分と深い考えだと思いつつそれでもなるほどと納得してお話を聞いていました。都会を離れて田舎に住む話は度々テレビで見ますが、実際に自分の知っている人が同様の行動をするのだと驚いています。
一方で羨ましいとも。何も農業をやることが羨ましいということではなく、我々の年齢で新たなスタートを切ろうとするその勇気と行動力に対してです。昨今、定年延長が多くの企業で言われていますが、今まで役席者の立場であった人が定年を境に立場が逆転する事への戸惑いも問題になっています。
第二の人生と言います。しかしこの言葉、口で言うほど決して簡単ではなく、一歩を踏み出していくことはかなり大きな勇気がいるのだと感じます。そして今回のように自らの意思で踏み出すことが本当の第二の人生なのだと。
我々経営者は自身で一線のゴールを決めることができます。一方でこのゴールを潔く決める経営者は数が少ないとも言います。自身の同世代がこうして新たな道をスタートするという事を聞くにつれ、あらためて自身もそうした意識を持たなくてはと感じます。
それにしても…ちょっとショックでした。そんな年代なんですね。
コメント